
Googleリスティング広告のCTR(クリック率)を上げるには?5つの改善方法を徹底解説
2025/05/06 BtoBマーケティング検索連動型を特徴とするリスティング広告は、ディスプレイ広告にくらべてCTR(クリック率)が高くなる傾向にあります。
CTR(クリック率)は、インターネット広告における重要な指標ですが、どのくらいの割合が適切なのでしょうか。
業界や業種によってCTR(クリック率)が異なるかどうかも、気になるところです。
そこで今回は、Googleリスティング広告でCTR(クリック率)が低くなる原因に加え、改善するための5つの方法について詳しく解説します。
目次
Googleリスティング広告のCTR(クリック率)とは?
Google社の提供するリスティング広告は、ユーザーがリアルタイムで検索したキーワードに関連して配信される広告サービスです。
CTR(クリック率)は、「Click Through Rate」の略称で、リスティング広告を含め、配信された広告にユーザーがどの程度クリックしたかという割合を示します。
ちなみに、Web上で広告が表示された回数のことをIMP(インプレッション数)といい、CTR(クリック率)は、ユーザーが広告をクリックした回数とIMPによって算出可能です。
CTR(クリック率)=クリック数÷インプレッション数×100(%)
このCTR(クリック率)は、広告効果を高めるためには重要ですが、あくまで中間的な指標に過ぎません。
また、クリック課金方式のリスティング広告は、CTR(クリック率)が高くてもユーザーの無駄なクリックが多く含まれている可能性もあります。
リスティング広告に限りませんが、最終的な成果となるコンバージョンにつながらなければ、いくらCTR(クリック率)が高くても意味がないのです。
リスティング広告のCTR(クリック率)の平均・目安
リスティング広告のCTR(クリック率)の平均や目安について説明しましょう。
業種や業界、キーワードによって、CTR(クリック率)の平均・目安は、ある程度の差異があります。
2024年に公表されたWordStream社のリスティング広告のCTR(クリック率)の調査によれば、下記のようになっております。
業界 | 平均CTR(検索広告) | 平均CTR(ディスプレイ広告) |
---|---|---|
アドボカシー(支援活動) | 4.41% | 0.59% |
自動車 | 4.00% | 0.60% |
B2B | 2.41% | 0.46% |
消費者サービス | 2.41% | 0.51% |
出会い・交際 | 6.05% | 0.72% |
Eコマース | 2.69% | 0.51% |
教育 | 3.78% | 0.53% |
就職サービス | 2.42% | 0.59% |
金融・保険 | 2.91% | 0.52% |
医療・健康 | 3.27% | 0.59% |
ホーム用品 | 2.44% | 0.49% |
工業サービス | 2.61% | 0.50% |
法律 | 2.93% | 0.59% |
不動産 | 3.71% | 1.08% |
テクノロジー | 2.09% | 0.39% |
旅行・ホスピタリティ | 4.68% | 0.47% |
このCTR(クリック率)は、固有名詞の指名キーワードと固有名詞以外の一般キーワードの2つに大別されます。
ちなみに、指名キーワードと一般キーワードのCTR(クリック率)の目安は、次の通りです。
種類 | CTR |
---|---|
指名キーワード | 15~30% |
一般キーワード | 1~5% |
主な指名キーワードは、ブランド(商標名)や商材名・会社名などです。
特に、商材・商品名は、ユーザーがピンポイントで検索しているキーワードとなるため、CTR(クリック率)が高くなる傾向にあります。
これに対し、一般キーワードは、業種にもよりますが、たとえば「SEO対策 リスティング広告」のように、2〜3つの言葉を複合したほうがCTR(クリック率)が上昇する傾向です。
また、指名キーワードとは異なり、ユーザーのニーズや自社商材が顕在化しないため、ユーザーも競合と広告内容を比較検討している可能性もあります。
このような理由もあり、一般キーワードのCTR(クリック率)は、指名キーワードより低いのです。
Googleリスティング広告のCTR(クリック率)が低い4つの原因
CTR(クリック率)が高い傾向にあるリスティング広告ですが、場合によっては数値が低くなります。
この章では、低くなると考えられる4つの原因について説明しましょう。
キーワードの選定がマッチしていない
まず考えられる原因としては、キーワードの選定がユーザーのニーズとマッチしていない可能性があります。
設定しているキーワードが実際に配信している広告内容と合致しなければ、たとえユーザーが広告を見ていても、クリック率は上がりません。
特に、リスティング広告では、設定キーワードと広告の配信内容が乖離していると、CTRは下がる傾向があります。
キーワードを正しく選定しているようでも、実際には広告の配信回数が少ないキーワードや、表示されていてもクリック率の低い特定のキーワードが内在しているかもしれません。
長期的にコンバージョンを獲得できていない場合は、一時的にキーワードを停止し、改善を図るべきでしょう。
広告が上位に掲載されていない
広告が上位に掲載されていない場合は、当然、CTR(クリック率)も下がるでしょう。
Google広告の場合は、キーワードに関連する広告に対し、1〜10段階の品質スコアで品質が評価されます。
リスティング広告の掲載される順位は、1回の検索ごとに算出される広告ランクによって決定します。
広告ランクを算出する際は、ユーザーの検索キーワードに加え、検索時の所在地やデバイス・検索時間・語句の性質など、複数のユーザーシグナルの属性も考慮されているのです。
上位に掲載されるためには広告ランクを上げる必要がありますが、広告ランクの数値は非公開となっています。
ただし広告オークションにおける競争力の総合的な推定値は「品質スコア」という指標で管理画面から確認できます。
品質スコアは広告ランクの算出には使われないものの、広告ランク算出時に考慮される「広告の品質」の目安にはなります。まずはキーワードごとの品質スコアを確認し、スコアが低いキーワードについては「推定クリック率」「広告の関連性」「ランディング ページの利便性」から改善できそうな項目がないか確認しましょう。
広告文が検索ユーザーの心に響いてない
広告文が、検索ユーザーの心に響いてないという可能性もあります。
広告を見ても特に魅力を感じない、検索ニーズと合致していない場合は、たとえ広告文が配信されても、ユーザーはクリックしないでしょう。
広告文は、見出しや説明文で強いインパクトを与え、瞬時にユーザーの心を掴む必要があります。
ユーザーがテキストを一読して興味や関心を持つよう、クリエイティブの内容を工夫してみましょう。
ターゲットの検索意図と合致していない
ターゲットの検索意図と広告が合致していないことも、CTR(クリック率)を下げている原因として考えられます。
ターゲットを設定したにもかかわらず、ユーザーが広告を見ていなければ意味がありません。
WebサイトやLPに実際に流入したユーザーの検索キーワードを分析し、ターゲットの検索意図と設定キーワードをマッチさせる必要があります。
管理画面から検索クエリのレポートを確認し、設定した各キーワードのパフォーマンスをチェックしてみましょう。
Googleリスティング広告のCTR(クリック率)の5つの改善方法
リスティング広告のCTR(クリック率)を下げている原因を確認したら、改善策を打ち出すことが重要です。
この章では、CTR(クリック率)を改善するための5つの方法について説明します。
広告文の最適化
CTR(クリック率)を改善するには、ユーザーがクリックしたくなるような広告文の最適化が重要です。
自社のクリエイティブについて、次の5項目を確認してみましょう。
- 競合がどんな広告文を配信しているか
- 広告でベネフィット(メリット)を伝えられているか
- 検索キーワードからユーザーのニーズをくみ取れているか
- コピーやキャッチフレーズが端的で分かりやすいか
- LPとクリエイティブが合致しているか
たとえば、期間限定の有無や商材を購入した際の特典、割引率などで具体的な数値を入れると、ユーザーの対象に抱くイメージがより明確になります。
ユーザーの検索したキーワードのフォントが、検索結果画面上に太字で表示されるよう、広告文に決定した検索キーワードを含めることも大事なポイントです。
昨今は、PCだけでなく、スマートフォンで検索するユーザーも増えつつあります。
商材にもよりますが、表示字数がPCより少ないスマートフォンに表示されることを意識し、短いワードで興味を引くような広告文を作成するのも一案です。
広告表示オプションの活用
リスティング広告のCTR(クリック率)を改善するには、広告表示オプション(アセット)も上手に活用しましょう。広告表示オプションの機能を使うと、自社に関する情報を広告の下部に併記できます。
設定方法は、次の通りです。
- アカウントにログインし、キャンペーンを選択
- 「広告とアセット」を選び、「アセット」のタブをクリック
- 「+」ボタンをクリックして追加する表示オプションを選択し、「保存」をクリック
この広告オプションの設定項目は全部で12項目ありますが、特に次の6項目のオプションの活用を推奨します。
- 電話番号表示
- 住所
- 価格表示
- コールアウト(キャッチフレーズ)
- サイトリンク
- 構造化スペニット
実店舗の場合は電話番号や住所表示を、インターネット通販の場合は価格表示を入れれば、コンバージョンの獲得にもつながるでしょう。
ちなみに、「6」の構造化スペニットの機能を使うと、特定の商材について関連カテゴリーに関する情報を広告に追加できます。
一見、「4」のコールアウトに似ていますが、構造化スペニットはヘッダーと値の2つに分けて表示され、1つのヘッダーに10個まで値を設定できることが特徴です。
たとえば、ヘッダーに「スタイル」を選択し、値に「バッグ、靴、スーツ、ワイシャツ、ネクタイ」などを入れてユーザーにより具体的な情報を伝えることで、クリック率が向上する可能性は高くなります。
ターゲット設定の見直し
ターゲット設定を見直すのも、CTR(クリック率)の改善に効果的です。
検索したユーザーを獲得するリスティング広告は、その時点である程度のターゲティングをしているといえるでしょう。
しかし、特に商材の特徴を特定のターゲットに限定して配信すると、CTR(クリック率)が上昇する可能性はさらに高まります。また、リスティング広告は、ターゲティング設定と同様に、ユーザーの興味関心やデモグラ(年齢や性別など)を「モニタリング」で設定できます。
モニタリングは、広告の配信に影響を与えることなく配信結果を分析し、指定したターゲティングごとに設定可能です。
モニタリングは、次の4つのステップで設定できます。
- アカウントにログインし、画面左側のメニュー「キャンペーン」をクリック
- 「オーディエンス、キーワード、コンテンツ」セクションから「オーディエンス」を選び、折れ線グラフ右下の「オーディエンスセグメントの編集」をクリック
- 「ユーザーの属性」や「興味関心」、「購買意向」からモニタリングしたいカテゴリにチェックを入れ、「保存」をクリック
- 一定数データが溜まったタイミングでどの属性やカテゴリがクリック率が良いかチェック。
分析結果によって、よいオーディエンスの入札単価の調整やターゲティングへの追加などを検討すれば、CTR(クリック率)だけでなく成約につながる可能性も高くなるでしょう。
キーワードの精査
キーワードの精査も、リスティング広告のCTR(クリック率)を改善する方法のひとつです。
リスティング広告では、キーワードの3種類のマッチタイプを設定できます。広告キャンペーンのマッチタイプを確認し、キーワードが適切かどうかをチェックしてみましょう。
例として、キーワード「女性用 バッグ」について説明します。
- 完全一致
「バッグ 女性用」「女性 バッグ」「レディース バッグ」→広告が表示
「女性用 バッグ おすすめ」「レディース バッグ かわいい」→広告は表示されない - インテントマッチ
「バッグ 安い 小さめ」→広告が表示
「女性用 かばん おすすめ」→広告が表示
「レディース かばん かわいい」→広告が表示 - フレーズ一致
「女性用 バッグ おすすめ」「女性用 バッグ 茶色」→広告が表示
「バッグ 安い 小さめ」→広告は表示されない
ただし、インテントマッチを設定する際、全てのキーワードをインテントマッチにすると数時間で1日の広告予算を消化する可能性があるため、注意が必要です。
初期段階のみインテントマッチを設定する、新たなキーワードを獲得するために一時的に設定するなど、予算を考慮しながら上手に活用しましょう。また、検索語句(検索クエリ)のレポートは、検索語句ごとのクリック率・費用・コンバージョン率を確認できます。
配信広告のキーワードが、コンバージョンの獲得につながった検索語句と一致しているかをチェックし、含まれていないワードがあれば登録しておきましょう。
広告掲載の順位の向上
リスティング広告のCTR(クリック率)を改善するには、広告掲載の順位の向上を図るのも効果があります。
掲載順位を向上させるためには、見込み効果を元に計算された下記の「広告ランク」に関連する項目を改善しなければなりません。
- 上限クリック単価
- 品質スコア
- 広告表示オプション
上限クリック単価を引き上げるのは簡単ですが、競合がそれを上回れば順位は上がらず、コストもかかります。
そこで、品質スコアと広告表示オプションを上手に活用しましょう。
品質スコアを高くすると、クリック単価を抑えつつ広告を上位に表示できます。品質スコアの構成要素は、大きく分けて次の3つです。
- 広告の関連性:ユーザーの検索意図との一致度
- 推定CTR(推定クリック率):広告が表示された場合のクリックの可能性
- LPの利便性:クリークしたユーザーにおけるLPの有用性の度合い
なお、品質スコアは、次の3つのステップで確認できます。
- Google広告で管理画面を開き、「キャンペーン」をクリック
- 「キーワード」をクリックし、「表示項目」から「品質スコア」をクリック
- 「品質スコア」から閲覧したい情報をチェック
現在出稿している広告で品質スコアの各構成要素の履歴を確認し、上位に掲載されるよう調整してみましょう。
Googleリスティング広告のCTRまとめ
CTR(クリック率)が高いからといって、広告成果を訴求できるとは一概にいえませんが、Web広告を運営する際の重要な指標であることは紛れもない事実です。とはいえ、CTR(クリック率)を高めようとするあまり、商材やLPの内容とかけ離れたクリエイティブにすれば、CVRが低減するリスクがあります。
検索連動型だからこそ、Web広告のなかで成果の出やすいリスティング広告の品質を高め、CTR(クリック率)とともにCVR(コンバージョン獲得率)の向上を目指しましょう。
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