
デマンドジェネレーションとは?Google広告の新キャンペーンと効果的な活用方法を徹底解説
2025/11/26 未分類近年のデジタルマーケティングにおいて、効果的な広告配信はビジネス成長の鍵となっています。そんな中、Googleが2023年10月にリリースした「デマンドジェネレーション」が注目を集めています。
デマンドジェネレーションは、従来のファインドキャンペーンをアップグレードした新しい広告キャンペーン形式で、YouTube・Google Discover・Gmailという主要なプラットフォーム横断での広告配信を可能にします。特に、新商材の認知度向上やブランディング、リード獲得において高い効果が期待されています。
本記事では、デマンドジェネレーションの基本概念から具体的な活用方法、メリット・デメリット、そして実際の設定手順まで、マーケティング担当者が知っておくべき情報を網羅的に解説いたします。
目次
デマンドジェネレーションとは
デマンドジェネレーションとは、2023年10月にGoogleがファインドキャンペーンのアップグレード版としてリリースした広告キャンペーンのことです。
このデマンドジェネレーションでは、Google保有サービスのYouTube・Discover・Gmailで広告を配信できます。
YouTubeやGmailに加え、Google検索でユーザーの興味や関心に関連するコンテンツを表示するDiscoverでの利用も可能であることが特徴です。
新商材の発表やブランド認知度を向上、リードを生成する場合はデマンドジェネレーションの運用をおすすめします。
デマンドジェネレーションのGoogle広告での使い方
デマンドジェネレーションのGoogle広告での使い方は、主に次の3つです。
- 目標コンバージョン単価(CPA)の達成
- コンバージョンの獲得
- クリック数の最大化
AIが自動で入札価格を調整し、CPAを維持しながらコンバージョンを増やすため、デマンドジェネレーションでは、目標コンバージョン単価を達成するための手間がかかりません。
コンバージョンを獲得するための入札価格も自動調整のため、1日のキャンペーンにかかる予算を最大限に活用できるでしょう。
そんなデマンドジェネレーションは、3つのフォーマットから視覚的効果をフルに発揮できます。
さらに、今回のアップグレードによって新たに搭載された、デバイスターゲティングと類似セグメントを含めた多彩なターゲティングを活用すれば、新規顧客の開拓も期待できるでしょう。
デマンドジェネレーションを使用するメリット
デマンドジェネレーションを使用するメリットは、大きく分けて3つあります。
①新規顧客の獲得
1つ目のメリットは、新規顧客の獲得です。
先述の類似セグメント機能が追加されたことで、既存ユーザーに類似する新しいユーザーへのアプローチが可能になりました。
類似セグメントは、自社の商材を知らない新規ユーザーへの認知度を向上させたい企業に、ぜひ活用していただきたい機能のひとつです。
②YouTubeショートへの広告配信
2つ目のメリットは、YouTubeショートへの広告配信です。
従来、YouTubeショートの動画広告には、「動画アクションキャンペーン・P-MAXキャンペーン・アプリキャンペーン」のいずれかを選択する必要がありました。
商材や運用者の事情によっては、これまで導入できない企業も多かったのではないでしょうか。
その点、デマンドジェネレーションでは、規約を遵守していれば商材のタイプを問わず配信できます。
特に、動画だけでなく画像も配信できるYouTubeショートは動画編集のリソースやスキルがなくても配信しやすいので、運用に慣れていない企業でも扱いやすいでしょう。
③デバイスによるターゲティング
3つ目のメリットは、デバイスによるターゲティングです。
本機能もアップグレードされ、効果を期待できないデバイスへの広告配信を除外できるようになりました。
自社商材と関連性が深くないユーザーを事前に除外することで、効率的にコンバージョンを獲得できるでしょう。
デマンドジェネレーションを使用するデメリット
デマンドジェネレーションを使用するデメリットは、大きく分けて3つあります。
①難易度が高い
まず、1つ目のデメリットは、難易度が高いことです。
比較的新しいメニューのため、広告効果を大きく左右するクリエティブやターゲティングなど重要な要素に関する有益な情報がまだ市場に出回っていません。
ノウハウを熟知している人材や活用事例も少ないことから、デマンドジェネレーションを運用する際は、事前の入念なリサーチと検討が必要です。
②現行キャンペーンの成果が必要
3つ目のデメリットは、うまく軌道に乗せるためには、現行キャンペーンの成果を必要とすることです。
デマンドジェネレーションに限らず、AIの機械学習を必要とするプロダクトは、データの蓄積や学習時間を要するため、多額の予算を投入しない限り初期段階ですぐには効果を出せません。
そこで、広告配信でなるべく早くCVの獲得を狙う場合は、現行キャンペーンの成果からつなげたほうが効率的です。
たとえば、P-MAXや検索キャンペーンなどである程度のCVデータを蓄積した段階で、デマンドジェネレーションの導入を検討してもよいでしょう。
デマンドジェネレーションを使用する注意点
デマンドジェネレーションを使用する際の注意点は、次の4つです。
①成功の難易度の高さ
まず、成功の難易度が高いことを想定しておきましょう。
デマンドジェネレーションは、2023年10月にリリースされ、2024年3月にアップグレードされた比較的新しいサービスです。
業種を問わず、企業の活用事例もそれほど多くないため、戦略的な使用や効果的な設定が定着していません。
当面、自社商材の広告効果を高めるためには、デマンドジェネレーションとほかの広告戦略を並行したほうが安全です。
②クリエイティブのノウハウとリソースの確保
2つ目の注意点として、クリエイティブを制作するノウハウとリソースを確保する必要があります。
ほかの広告キャンペーンにもいえることですが、広告を配信する際は、良質の画像や動画の制作が不可欠です。
自社商材とキャンペーンの目的にマッチしたクリエイティブで最大限の広告効果を得るためにも、事前にしっかり準備しましょう。
③最適化にCVが必要
3つ目の注意点として、デマンドジェネレーションを最適化するにはCVが必要です。
先ほども述べた通り、AIの学習機能はアカウントに蓄積されるCVデータが多いほど、広告の表示対象を判断する精度が高まります。
なるべく早く最適化できるよう、ほかの広告キャンペーンのCVを活用できるよう工夫しましょう。
④セーフゾーンの確認
最後に、広告を作成する際は、セーフゾーンを事前に確認しておきましょう。
動画や画像でユーザーに伝えたい商材や企業に関する情報が、コメントや「いいね!」のアイコンに重なると広告の文字や画面が見づらくなり、せっかくの視覚効果が半減します。
なお、セーフゾーンのサイズは、YouTubeのショート動画やInstagramのストーリーズなどのアプリによって異なりますので、作成前に確認しましょう。
デマンドジェネレーションに向いている商材
デマンドジェネレーションに向いている商材は、主に2つです。
1.商品ブランドおよび企業名の認知度の高いBtoC向けの商品・サービス全般
2.SNS・セミナーや展示会・オウンドメディア・メルマガなど複数のチャネルを運用するBtoB向けビジネス
クリエイティブの質もありますが、全体の傾向として、広告の配信前から認知度が高い企業のほうが早い段階でコンバージョンの獲得に成功しています。
しかし、メリットを活かした運用ができれば、商材の検討から購入までのプロセスが複雑で、長期化することの多いBtoB向けビジネスでも十分な広告効果を期待できるでしょう。
デマンドジェネレーションの設定方法
デマンドジェネレーションは、Google広告の管理画面から作成できます。
設定方法は、以下の通りです。
- Google広告の「キャンペーン」画面を開き、「+」アイコンからキャンペーン目標を選択し、キャンペーンを作成
- キャンペーンの目標から「コンバージョン」「クリック数」「コンバージョン値」のいずれかを選択
- 「コンバージョン値」を選択する場合は、「単価・予算・開始日」を設定
- 「キャンペーン単位で地域と言語のターゲティングを有効にする」をチェックし、地域とデバイスを設定
- 広告グループ名を設定し、必要に応じてオーディエンスの設定に進み、「カスタムセグメント・広告主様のデータ・類似セグメント・興味/関心と詳しいユーザー属性・ユーザー属性・除外」を設定
- 見出しや画像などを設定し、広告を作成します
まとめ
デマンドジェネレーションは、YouTube・Discover・Gmailという Google の主要プラットフォームを活用した強力な広告配信ツールです。新規顧客獲得、YouTubeショートへの配信、デバイスターゲティングなど多くのメリットがある一方で、運用難易度の高さや十分なノウハウの不足といった課題も存在します。
成功のポイントは、既存キャンペーンでコンバージョンデータを蓄積してからの導入と、高品質なクリエイティブの制作です。特にBtoC向けの認知度の高いブランドや、複数チャネルを運用するBtoB企業にとって効果的な手法といえるでしょう。
まだ比較的新しいサービスのため、他の広告戦略と並行して慎重に運用することをおすすめします。適切な準備と戦略的な活用により、デマンドジェネレーションは企業の成長を大きく加速させる可能性を秘めています。まずは小規模なテスト配信から始めて、自社に最適な運用方法を見つけていきましょう。
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