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Meta広告のASCとは?メリデメや効果的な活用方法を解説

2024/09/06 WEB広告

Meta広告(旧Facebook広告)の界隈で、最近特に注目されているのが「ASC(Advantage+ショッピングキャンペーン)」です。
ASCは、Meta(旧Facebook)の強力なプラットフォームを活用した広告運用で、特にコンバージョン獲得に特化したキャンペーンのこと。

この記事では、これから広告運用を始めようとしている方や、すでに運用を行っているが、さらなる効果を追求したいと考えている方に向けて、ASC Meta広告の概要や、従来のバージョンとの違い、メリットとデメリット、効果的な活用方法などを解説します。

Advantage+ショッピングキャンペーンの導入を検討している方はぜひ最後までご覧ください。

Meta広告のASC とは?

ASCは「Advantage+ ショッピング キャンペーン」の略で、FacebookやInstagramなどを運営するMeta社の広告キャンペーンのことで、デジタルマーケティングの分野で近年注目を集めている広告手法です。

ショッピングキャンペーンの名の通り、主にはEC(D2C、単品通販など)向けに開発されたキャンペーンタイプです。

従来の広告形式とは異なり、最新のAI技術を駆使して広告の配信と設定が自動化されており、これによりユーザーの行動データや関心に基づいてカスタマイズされた最適な広告を効率よく配信することができます。

大きな特徴は、ターゲティングが自動で、運用工数が削減可能なところ。
ほぼクリエイティブ勝負になるので、コピーとデザインの組み合わせの検証の数こなして、アタリのクリエイティブを見つけるのが正攻法です。
うまく運用することで、興味関心のテストを繰り返したコアオーディエンス等のオーディエンス配信よりも、成果が上がるケースもあります。

Meta広告、それ以前に広告運用の初心者なのであれば、まずはASCを使ってみるといいでしょう。

Meta広告のASCの特徴と旧バージョンとの違い

ASC Meta広告は、従来のキャンペーンと比べると様々な面で進化していますが、最大の違いは機械学習による自動化です。
この章では、ASC Meta広告の特徴と旧バージョンとの違いについて詳しく解説します。

従来キャンペーンとの最大の違いは自動化

ASC Meta広告の最大の特長は、最新の機械学習モデルを使用し、広告の配信と設定を自動化している点です。

ASCは、広告アカウントに蓄積されたデータを活用し、配信先の選定、ターゲティング、広告クリエイティブの選択などを自動で行うことで、最も効果的なターゲットに対して広告を配信することができます。

従来のキャンペーンでは、これらを全て手動で設定する必要があったので、細かい調整や管理に多くの手間がかかっていました。

しかし、ASC Meta広告では、これらの作業が自動化され、広告主は配信先の国を選ぶだけで、後は機械学習モデルが最適な設定を行ってくれます。
これにより、運用者の手間を大幅に削減しつつ、効果的な広告配信が可能になります。

広告を自動で配置

ASCでは、キャンペーンの自動配置機能が使用できます。

従来の広告キャンペーンでは、InstagramのストーリーやFacebookのフィードなど、広告を表示する場所を手動で細かく指定することができました
ASCでは、Metaのアルゴリズムが最適な配信場所を自動的に選択します。

これにより、広告運用者の手間を省きつつも最適な広告を効率よくターゲットに届けることができます。

クリエイティブの最適化

広告クリエイティブについても、従来のキャンペーンでは手動でテキストや画像、動画を組み合わせる必要がありましたが、ASCでは機械学習がパフォーマンスの高いクリエイティブ要素を自動的に選び、最適な組み合わせを追求します。

過去に他キャンペーンで配信したクリエイティブの中でパフォーマンスが高かったものをASCで配信することも可能です。

ターゲティング

従来の広告キャンペーンでは、ターゲットオーディエンスを性別や年齢、ターゲットの興味関心などの基準で絞り込むことができました。
ASCでは、ターゲティングは配信する国のみを手動で選択するシンプルな設計ですが、地域レベルでの除外設定も可能です。

また、オプションで年齢の下限を18歳から25歳の範囲で選ぶことができます。

そして、ASCは、新規ターゲットと既存ターゲット(リターゲティングなど)を同じ広告セット内で一括管理し、配信できるという利点もあります。
従来では既存ターゲットと新規ターゲットを分けて配信する場合、それぞれ別のキャンペーンを作成しなければなりませんでした。
それに対してASCでは、新規ターゲットと既存ターゲットを一つの広告セットとして統合し、カスタムオーディエンスを既存ターゲットとして配信することで、両者の配信比率を調整し、新規ターゲットと既存ターゲットの別々のレポートを抽出することも可能です。
また、予算(ex. 予算の30%を既存ユーザーに配分)での、配信比率調整が可能です。

ASCは、これらの高度なターゲティング設定により、Meta広告のパフォーマンスを最大限に引き出すことができます。

入稿数の増加

ASCはクリエイティブの入稿数でも進化を遂げています。

従来のキャンペーンでは、1広告セットの広告数の上限は50個まででしたが、ASCでは最大150個まで設定できます。
従来のもの比べて入稿数が大幅に増加しているため、多様なクリエイティブを用いた広告展開が可能です。

ある意味、「クリエイティブの検証数が成果のキー」ですよというMeta側からの暗示にも感じます…。

自動入札が利用可能

旧バージョンでは手動で入札する必要がありましたが、ASCは入札も自動化されています。
自動入札では、機械学習を用いて自動で広告の効果測定や予算調整を行い、最適な入札調整を行います。

広告セット数

従来のキャンペーンでは、キャンペーン数や広告セットに制限はありませんでした。

ASCでは同じ国をターゲットにしたキャンペーンは最大8つまで、1キャンペーンあたり1広告セットのみと制限されています。
この制限があることで、運用を簡素化し、より効率的な広告配信を実現しています。

ASCのメリット・デメリット

ここまで、従来のキャンペーンとASCの違いやASCの特徴について詳しくご紹介してきました。
この章では、ASCを実際に活用する際のメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。

メリット

1.自動で最適な広告をターゲットに発信できる

ASCの最大のメリットは、機械学習を駆使し、最適なターゲティングを自動で行える点です。

2.広告運用者の手間が少ない

従来のキャンペーンで手動で行っていたような、広告の表示場所、ターゲットオーディエンスの性別や年齢、興味関心などの細かい設定を手動で行う必要がありました。

ASCでは、機械学習により、最適なターゲティング、配信場所、クリエイティブ、などを自動で見つけ出せるため、広告運用者の手間が大幅に省けます。
そのため、配信までの工数が少なく、広告運用者の負担を軽減することができます。

3.新規ターゲットと既存ターゲットのデータを統合し、配信比率を調整

それに対してASCでは、新規ターゲットと既存ターゲットを一つの広告セットとして統合することができます。
追加で、両者の配信比率を調整し、新規ターゲットと既存ターゲットの別々のレポートを抽出することも可能です。

ターゲットごとに広告セットを使い分ける必要がなく、効率的な広告運用が叶います。

デメリット

ASCは、GoogleのP-MAXに近く、分析とコントロールがしにくいという欠点があります、

1.詳細な分析が難しい

これまでご説明してきた通り、ASCでは広告運用のほとんどを自動化できることが最大の特徴です。
しかしその分、どのターゲットに良い(もしくは悪い)影響を及ぼしているか、といった詳細な分析が困難であることにも留意が必要です。

2.ターゲットを細かく設定することはできない

従来のキャンペーンでは、ターゲティングを行うにあたり、性別、年齢、興味関心など詳細な設定をすることができました。
ASCでは、国レベルのターゲティングが可能ですが、特定の興味・関心などの細かい設定ができないため注意が必要です。

ASCが最も効果を発揮するシーンとは

ASCが最も効果を発揮するシーンは、ショッピングキャンペーンの名の通り、「商品販売」に特化した自動化キャンペーン。

そのため、ECサイトの運営や・通販事業者などからの高い注目を集めているキャンペーンといえます。
この章では具体的にどのような場面でパフォーマンスを発揮するのかを詳しく解説していきます。

クリエイティブテストを大規模に実施したいとき

ASCでは、最大150種類のクリエイティブを自動的にテストし、最も成果が高い組み合わせを使用して広告を配信します。

そのため、大量のクリエイティブをテストして、効率よく最適な広告を見つけるのに適したキャンペーンです。
特に、大量の商品や複雑なターゲティングが必要なシーンで、その真価を発揮するでしょう。

従来の手動設定に比べて、短期間でのパフォーマンス向上が期待できるため、大規模なキャンペーンを展開したい企業にとって理想的なツールです。

ECサイトでの販売促進

前述したように、ASCは、ECサイトなどでのオンラインショッピングを促進する広告に非常に適しています。
商品数が多いと、その分広告の運用工数も多くなりますが、ターゲティング部分が簡素なので、省力化が可能。

リード獲得

リード獲得とは、顧客や見込み客の情報を集め、将来的な販売やサービス提供につなげるプロセスのことです。
ASCは、ECサイトでの売上促進だけでなく、リード獲得を目指すキャンペーンにも高い効果を発揮します。

ASCの機械学習が、過去の広告データやターゲットの行動データをもとに、最も反応が良いオーディエンスに対して広告を配信してくれるため、従来よりも高い精度で見込み客をリーチし、リード獲得に繋げることができます。

また、ASCは広告のクリエイティブやターゲティングを自動で最適化するため、リード獲得のために複数のキャンペーンや広告セットを管理する手間が省けます。

ASCを最大限に活用するためのポイント

ASCは、AIを活用して自動で広告パフォーマンスを最大化する大変便利なツールです。
しかし、その効果を最大限に引き出すためには、適切な運用と管理が不可欠。

この章では、ASCを効果的に運用するための具体的なポイントを解説します。

高品質なクリエイティブを制作する

どんなに優れたAIでも、クリエイティブの質が低ければ成果にはつながりません。
ターゲットのニーズに応じたインパクトのあるクリエイティブを制作し、多くのユーザーの目に止まるよう工夫しましょう。

通常のキャンペーンと同時に運用する

ASCを導入する際は、通常のキャンペーンと併用して運用を始めることをおすすめします。
ASCは、同じアカウント内の他のキャンペーンデータも利用して機械学習を行います。

通常キャンペーンのパフォーマンスがASCの学習に影響を与えるため、両者を併用することで、CPA(Cost Per Acquisitionの略で、新規で顧客1人を獲得するためにかかった広告のコストのこと)の改善が期待できます。

はじめは通常キャンペーンとASCを並行して運用し、学習が進むにつれて徐々にASCに移行していくことで、より効率的な広告運用が可能になります。

また、ASCも万全じゃないために、手動運用の余地を残しておくといいです。

クリエイティブの本数

ASCでは、広告クリエイティブを多様化するために、10本のクリエイティブを用意することが推奨されています。
10本のクリエイティブを同時に配信することで、AIの学習効率が高まり、最適な広告の組み合わせを見つけやすくしますなります。

定期的に新しいクリエイティブを投入する

広告の効果を高めるためには、1~2週間に1回の頻度で新しいクリエイティブを投入することをおすすめします。
フリークエンシーが3.0以上となると要注意です。
定期的に更新することで、ユーザーを飽きさせずに継続して興味を引き付けることができます。

また、AIがそのデータをもとに効果的な学習を続けられるようになります。

まとめ

この記事では、ASC Meta広告の概要から効果的に活用するためのポイントまでを詳しく解説してきました。

ASCは、マーケティングの世界で注目されている新しい手法です。

AIを活用して広告配信や設定を自動化し、特にECサイトの販売促進やリード獲得に効果を発揮してくれるでしょう。
ASCの効果を最大限引き出すには、AIによる自動化に全てを任せるのではなく、適切な管理と運用が大切です。

多くのターゲットの目を引くような魅力的なクリエイティブを作ることや、ターゲットのニーズに合った高品質なクリエイティブを定期的に投入することなど、創意工夫を行うことでより高いパフォーマンスを発揮できます。

ASC Meta広告は、広告運用を効率化し、ビジネスの成長を支える強力なツールです。
適切な運用を行うことで、多くのコンバージョンを獲得することでしょう。