
BtoB向けMeta広告(Facebook広告)を攻略する5つのポイント|運用メリットや活用事例も紹介
2024/10/21 BtoBマーケティング「BtoB向けビジネスにMeta広告(Facebook広告)を戦略的に運用したい」という企業も多いのではないでしょうか。広告効果を高めるためには、メリットやBtoC向けビジネスとの違いを理解し、運用のポイントを押さえることが重要です。
そこで今回は、BtoB向けMeta広告(Facebook広告)攻略のポイントや、BtoC向けとの違い、運用メリットやおすすめの設定方法について詳しく解説します。これから導入を検討される企業は、ぜひ参考にしてください。
目次
BtoB向けMeta広告(Facebook広告)とは?
BtoB向けMeta広告(Facebook広告)とは、BtoB向けビジネスで運用するMeta広告(Facebook広告)のことです。
実は、コンバージョンの獲得やブランド認知度の向上に適しているMeta広告(Facebook広告)は、BtoBと相性がよいといわれています。
その理由は、Meta広告(Facebook広告)は商材の問合せ獲得だけでなく、ウェビナーや資料DL訴求などリードにつなげやすいためです。
将来的な受注につながるリードを獲得するには、ターゲットとなる業種や業界にオンライン広告を効果的に配信する必要があります。
クリエイティブや運用次第で、BtoB向けビジネスでも低予算で大きな広告成果を期待できるでしょう。
BtoBでMeta広告(Facebook広告)を活用すべき理由
BtoBの事業者がMeta広告(Facebook広告)を運用するメリットは、主に以下4つです。
この章で詳しく説明しますので、ぜひ参考にしてください。
❶リード獲得に向いている
Meta広告(Facebook広告)は認知拡大にも活用できますが、リードを獲得しやすいのも大きなポイントです。
その理由としてまず、リーチできるユーザー数が圧倒的に多いことがあります。日本国内や世界においてトップクラスに利用者数の多い「Facebook」と「Instagram」というSNSに直接広告配信がができるため、上手く運用すればリード獲得を大きく伸ばすことが可能です。
また、この後でも詳しく説明する通り、Meta広告はターゲティングの精度が非常に高い広告媒体です。そのため、数多くいるSNS登録者の中でも、自社の製品に興味関心を持つユーザーに効率的にリーチし、リード獲得につなげることができるのです。
さらに、ユーザーにLP(ランディングページ)への遷移を促すことなく申し込みを完了できる「リード獲得広告」を運用すれば、ユーザーを離脱させることなくリードを獲得できます。LPで最初からフォームに必要事項を記入する従来の広告では、入力中の離脱率は70~80%といわれていました。
その点、Meta広告(Facebook広告)の「リード獲得広告」は、事前に質問を定型化するとプロフィール情報が自動で反映されるので、入力の手間を必要としません。
BtoB向けビジネスでは、一般消費者を対象とするBtoC向けビジネスよりも、効率的にユーザーをフォームに誘導する必要があります。
Meta広告(Facebook広告)を上手に運用し、リード獲得数を増やして行きましょう。
❷ターゲティングの精度が高い
Meta広告(Facebook広告)のターゲティング精度の高さは、ほかの広告媒体と比べてもトップクラスです。
ターゲティングは、以下の3種類のオーディエンスから条件を選択することで設定できます。
種類 |
絞り込める項目 |
コアオーディエンス |
学歴・職場・役職・趣味・行動など |
カスタムオーディエンス |
リターゲティング・エンゲージメントオフラインアクティビティ |
類似オーディエンス |
既存のコアオーディエンスとマッチ率の高いユーザー |
商材の内容によって、広告を配信したいユーザーをイメージしながら、コアオーディエンスの項目を設定しましょう。
また、機械学習により最適化されるため、例えニッチな商材であったとしても、自社製品に興味を持ちそうなユーザーに広告が出やすい点も大きな特徴です。
❸検索数の少ない商材にも適用できる
Meta広告(Facebook広告)は、BtoB向けの検索数の少ない商材にも適用できます。
新しい商材など、まだ市場に出回っていない場合は、キーワードとして検索されることも少なく、Googleリスティング広告などの検索広告によるコンバージョンの獲得は難しいでしょう。また、BtoBの場合はニッチでそもそもの検索数が少ない製品も多くあります。
しかし、ターゲティングの精度の高さを特徴とするMeta広告(Facebook広告)を活用すれば、ユーザーを軸に商材を必要とする企業や担当者へ効率的にリーチすることができます。
❹予算がコントロールしやすい
広告費用の調整がしやすいのも、Meta広告(Facebook広告)のメリットのひとつです。
Meta広告では投下する予算を柔軟に調整できるため、予算が限られる小規模企業や個人事業主でも運用しやすいでしょう。
ちなみに、Meta広告(Facebook広告)の予算設定には、1日予算と通算予算の2種類あります。1日予算の額は、1週間で消化する平均額です。
より多くの成果を出した日は1日分の予算より最大75%多くなる可能性がありますが、1週間の合計額の平均は1日予算の額を超えないよう設定されています。
無理のない予算を設定すれば、従来の広告キャンペーンよりも低コストで広告効果を期待できるでしょう。
BtoC向け広告との3つの相違点
BtoC向けであろうと、BtoB向けであろうと、Meta広告(Facebook広告)の本質は変わりません。ただ、いくつか知っておくべき違いがあるため、この章ではBtoC向けとの相違点について説明します。
❶ターゲット
BtoB向けMeta広告(Facebook広告)とBtoC向け広告との大きな違いは、対象となるターゲットです。
Meta広告(Facebook広告)では、ユーザーのプロフィール情報や行動からターゲティングを設定します。
BtoC向けビジネスは幅広く一般消費者が対象となるケースが多いため、EC系の小売業など性別や年齢・居住地などを広めに設定し、なるべく多くのユーザーをターゲットにするのが一般的です。
一方、BtoB向けビジネスでは、商材に関心のある企業や担当者にピンポイントでターゲティングするためには、BtoCよりもターゲットを絞り込む必要があります。
というのは、そもそもBtoB向けはBtoCにくらべると、ユーザーの母数が少ない傾向があるからです。
BtoB向けのMeta広告でコンバージョン率を向上させるには、自社の狙いたい層にリーチするためにターゲティングの精度を高める必要あります。
❷費用
Meta広告(Facebook広告)のBtoB向けとBtoC向けでは、費用も異なります。
広告の目的や競合状況、ターゲットなどにもよりますが、BtoB向けの場合は、先述の通り分母が小さく、ターゲティングの幅も狭くなるため、1件ごとの獲得単価は高くなる傾向があります。
業界やクリエイティブによっても大きく異なりますが、BtoCではCPM(インプレッション1,000回あたりの単価)が1,000~4,000円程になることが多いです。その一方で、BtoBでは3000円~6000円程度や、場合によっては10,000円を超えるケースも多くなっています。
❸広告効果
Meta広告(Facebook広告)の平均クリック率は0.90%といわれていますが、BtoB向けビジネスでは平均値をやや下回ります。
業界 |
平均クリック率 |
BtoB |
0.78% |
アパレル |
1.24% |
美容 |
1.16% |
小売り |
1.59% |
旅行 |
0.90% |
一方、コンバージョン率の平均値は、BtoB向けビジネスの平均コンバージョン率のほうがBtoC向けを大きく上回っています。
業界 |
平均CVR |
BtoB |
10.63% |
アパレル |
4.11% |
美容 |
7.10% |
小売り |
3.26% |
旅行 |
2.82% |
上記はあくまで業界平均なので一概には言えませんが、コンバージョン率の高さから見て、BtoB向けビジネスでもMeta広告(Facebook広告)は運用次第で多いに真価を発揮できると言えるでしょう。
BtoB向けMeta広告(Facebook広告)を攻略する5つのポイント
BtoB向けMeta広告(Facebook広告)を攻略するには、押さえておくべきポイントがあります。
この章では、Meta広告(Facebook広告)を戦略的に攻略する5つのポイントを紹介しましょう。
❶コンバージョン地点の設計を見直す
BtoB向けのMeta広告で成果を上げるには、まずはじめにコンバージョン地点、つまり「ユーザーにどんな行動を取ってもらうのか?」の設計が重要です。
Meta広告はリード獲得が得意な媒体ではありますが、リスティング広告と違い、能動的にその情報を検索している状態ではありません。そのため、例えばいきなり「無料トライアル申込み」などのコンバージョンは取りづらい傾向にあります。
一方で、例えばターゲットが興味を持ちそうな「ホワイトペーパー」や「ウェビナー」などはユーザーにとってハードルが低く、その場でさくっとコンバージョンしてもらいやすいです。
もちろん独自性があって魅力的な製品であれば直接的な問い合わせなども十分に狙えますが、コンバージョン率や自社の営業リソースも考慮しつつ、適切なコンバージョン地点の設計が重要です。
❷フェーズに応じたターゲティング設定を行う
次に重要になるのがターゲティグの設定です。
Meta広告では機械学習による自動最適化でコンバージョンしやすいユーザーにリーチできる点が強みですが、特に初動の成果が安定していないタイミングでは、手動ターゲティング設定が重要になります。
Meta広告でおすすめのターゲティング設定は主に以下のようなものがあります。
類似オーディエンス
類似オーディエンスは、既に自社製品を契約しているお客様や、過去にコンバージョンしたユーザーのリストを基に、それらのユーザーに似ている人をターゲティングする手法です。
ある程度のリスト数がないと上手く効果が出づらいのがデメリットですが、十分なリストを持っている企業には強力な武器になるでしょう。
ビジネス向けの詳細ターゲット
例えば人事向けの製品であれば、「人材管理システム」「人事労務管理(ビジネス・ファイナンス)」などに興味関心を持つユーザーというターゲティングが利用可能です。
また、SaaSなどのIT製品においては、2022年のアップデートで新たに追加された以下のターゲットも有効です。
- ITの意志決定者
- ビジネスの意志決定者
- ビジネスの意志決定者の役職および興味・関心
その他、検索窓で自社のターゲットに適したカテゴリーを検索すると、BtoB向けに関連しそうな推奨ワードが出てきます。ユーザー層・興味関心・行動・その他のカテゴリに含まれる仕事や学歴・年収・業界・役職・勤務先などの詳細を設定すれば、特定の役職や業界のユーザーをピンポイントにターゲティングも可能です。
ただ、Meta広告で設定可能な詳細ターゲットは日々変動しており、近年では以前より使えるターゲットが減っている傾向にあるので、頼りすぎには注意が必要です。
ブロード配信
Meta広告で安定してコンバージョンが取れる状態まで改善できた場合は、あえて詳細なターゲットを指定しないブロード配信も有効です。
既に説明した通り、Meta広告は機械学習によって、コンバージョンしやすい人を見つけて広告のターゲットを最適化していくことが得意です。週に50件以上のコンバージョンが上手く最適化がかかる基準とされています。自社の状況に合わせて検討してみると良いでしょう。
❸クリエイティブを重視する
Meta広告(Facebook広告)に限りませんが、広告運営は、効果を大きく左右するクリエイティブを重視する必要があります。
BtoB向けのクリエイティブは、一見して内容をすぐに把握できるシンプルなホワイトペーパーもおすすめです。
資料の表紙を表示し、ダウンロード後に得られる情報を視覚的にアピールします。
タイトルやキャッチコピーで商材の魅力を伝え、リード獲得広告と併用すれば成果につながる可能性は高いでしょう。
また、業界や商材によっては、ホワイトペーパーの中身を見せる手法も効果があります。
ポイントは、資料の内容や商材の魅力をわかりやすく伝えるとともに、インパクトのあるキャッチコピーや画像を使うことがです。
昨今は、Instagramのアプリ内で、文字のみのクリエイティブの配信も多く見受けられます。
ホワイトペーパーのメリットは、簡単に作成でき配信結果でPDCAサイクルを回しやすいことです。
自社の商材や資料カタログの内容によっては、クリエイティブを制作する際の検討をおすすめします。
❹除外設定は最小限にする
BtoBの広告配信においては、例えば土日の広告配信や、スマホへの配信を除外や抑制しているケースも多いのではないでしょうか?
ただ、Meta広告では除外のしすぎに注意が必要です。
なぜなら、FacebookやInstagramは勤務時間中ではなく、移動中や夕食前後など、プライベートな時間帯にスマホで利用することが多いためです。
また、BtoBで主に中年男性の顧客が多いからと言って、Facebook面だけに絞ってInstagram面への配信を除外するのも基本は非推奨です。実際に弊社のBtoB業態のクライアントでも、Instagramやオーディエンスネットワークへの配信で、Facebook面より安価にリード獲得ができている事例も珍しくありません。
Meta広告では、機械学習による自動最適化が上手くかかれば、配信面・時間帯・年代・性別などもコンバージョンを最大化するように配信が最適化されていきます。そのため、しっかりデータを基に判断せず、思い込みで除外をしてしまわないように注意しましょう。
❺リード獲得広告を活用する
Meta広告では広告からランディングページ(LP)へ誘導するリンク型の広告のほかに、「リード獲得広告」という広告フォーマットが利用できます。
リード獲得広告はLPへの遷移を必要とせず、Facebook(Instagram)内でフォーム入力~送信まで完結するのが特徴です。また、Facebookに登録しているプロフィール情報を自動でフォームに反映することもできるので、高いコンバージョン率が期待できます。
LPで詳細なサービス説明を読んだユーザーと比較するとリードの質が低くなる傾向はありますが、質問の分岐などによってリードの質のコントロールができるようになってきているので、状況に応じて上手く活用できると良いでしょう。
まとめ
Meta広告(Facebook広告)は、うまく運用することで、BtoBの製品やサービスでも大きな費用対効果が見込める広告手法です。これまでBtoC向け商材に適した広告キャンペーンと考えていた企業も、BtoB向けビジネスにも十分活用できることをご理解いただけたのではないでしょうか。
この記事でご紹介した
- コンバージョン地点の設計
- フェーズに応じた適切なターゲティング設定
- クリエイティブの検証と改善
- 必要最小限の除外設定
- リード獲得広告の活用
の攻略ポイントも活かして、BtoBのMeta広告で高い成果を上げていきましょう。