Google ディスプレイ広告(GDN)のクリック単価を下げるポイントとは?徹底解説
2025/01/16 WEB広告Google広告を運用している方にとってGDNの「クリック単価(CPC)」は、費用対効果を表す重要な項目です。
サイト流入数やコンバージョンが高く、クリック単価も低ければ費用対効果は良好と言えるでしょう。
しかしクリック単価が高く、コンバージョンしても利益が赤字では広告を配信する意味がありません。
そのため広告運用者であれば、クリック単価を下げる具体的な方法について知っておく必要があります。
そこでこの記事では、GDNのクリック単価が決まる要素から高くなってしまう原因について解説します。
記事後半からは「GDNのクリック単価を下げるポイント」や「単価の相場をチェックする方法」も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
Google ディスプレイ広告(GDN)のクリック単価はどうやって決まる?
クリック単価を下げたいのであれば、まずはどのように単価が決まっているのかを知っておく必要があります。
下記からクリック単価の要素について一緒に見ていきましょう。
クリック単価の要素
GDNのクリック単価は基本的に「オークション」と「入札価格」で決まります。
同じキーワード・ターゲティングをしている広告主同士でオークションを行い、入札価格をもっとも高く設定した広告が採用されやすい仕組みです。
そのため当然ながら、競合他社よりも入札価格が低ければ広告は表示されづらくなります。
基本的にこのような形でクリック単価は決まりますが、他にも下記の要素が絡んでくるので合わせてご参考ください。
- 広告の品質スコア
- 広告ランクの下限値
- オークションにおける競争度
それでは次章から、クリック単価が高くなる原因を見ていきましょう。
Google ディスプレイ広告(GDN)のクリック単価が高くなる原因
ここからはクリック単価が高くなる具体的な原因について解説します。
人気の商材を扱っている
クリック単価が高くなる大きな原因が、人気商材であることです。
たとえば、
- 保険
- ローン
- ダイエット
- 美容
- 求人
- 転職
などは人気商材として挙げられ、クリック単価が高くなります。
高くなる理由はカンタンで、前述したとおりGoogle広告はオークション形式で決まるためです。
人気商材のキーワードの場合、広告を配信したい人がたくさんいるため、クリック単価が高くなりやすい傾向にあります。
オーディエンスターゲティングを使用している
GDNではターゲティング機能である「オーディエンスターゲティング」があります。
ユーザーの検索履歴や訪問履歴などのデータから、特定のユーザーに広告を表示する機能です。
関連の高いユーザーへ自社の広告を配信できるメリットがある一方、ターゲットを絞るから、限られたターゲットに対して広告を出すための単価が高くなることがあります。その結果、クリック単価が高くなる可能性があります。
コンバージョン数の最大化を利用している
「コンバージョン数の最大化」とは、自動的にコンバージョン数を最大化するよう入札を行ってくれる自動入札機能です。
入札する手間を省いてコンバーション数を最大化してくれる便利な機能である一方、クリック単価が高くなる可能性があります。
上限クリック単価が設定できず、Google広告の機械学習エンジンが入札単価を決めるので、場合によってはCPCが高くなることがあります。
さらに手動入札とは異なり、上限クリック単価を設定できません。
そのため場合によっては、今まで数百円単位のクリック単価だったものが数倍になるケースもあります。
関連記事:Google広告における「コンバージョン数の最大化」とは?設定方法・メリデメ・注意点まで!
Google ディスプレイ広告(GDN)のクリック単価を下げるポイント
ここからは具体的にクリック単価を下げるポイントについて解説します。
クリック数の最大化を利用
Google広告には自動入札機能の一つである「クリック数の最大化」があり、設定するとクリック単価が低くなる傾向にあります。
クリック数の最大化は、広告がクリックされる回数を自動で最大化してくれる機能です。
GDNは広告のクリック率が上がるとクリック単価が低くなる仕様になっており、クリック数の最大化を利用することで単価を抑えることができる可能性があります。
一つ注意点として、「クリック数の最大化」は設定してから1〜2週間程度クリック数が安定せず、悪化する可能性もあります。
しかしこの期間は機械学習を行なっている最中なので、変に設定を変更しないようにしましょう。
広告の品質スコアを向上させる
品質スコアとはユーザーにとってどの程度「関連性」「有益性」が高いかを評価する指標で、スコアが高ければクリック単価は低くなる傾向にあります。
さらに優先して広告が表示される可能性も高くなり、より多くユーザーへ広告の配信が可能です。
GDNで具体的に品質スコアを上げるポイントは、推定クリック率になります。
推定クリック率
推定クリック率を高めることで、品質スコアを上げることができます。
具体的に推定クリック率を上げる方法として、
- 広告のクリエイティブを変更する
- クリック数の最大化を利用する
などが挙げられます。
不要なオーディエンスターゲティングを削除
記事前半でお伝えしたとおり、「オーディエンスターゲティング」は便利な機能であるものの、サービス手数料が発生する可能性があります。
結果的にクリック単価も高くなる可能性があるため、優先度の低いターゲティングは外しておきましょう。
ターゲット層を絞る
ターゲット層を絞ることで、意図しないユーザーに広告が配信されるリスクを減らすことができます。
具体的には、
- 年齢
- 性別
- 時間帯
- デバイス
など自社の広告を見て欲しいユーザーに絞り、広告が表示される場所やデモグラフィック情報も決めておくと良いでしょう。
また、海外に向けて広告を配信する必要がない場合や、意図しない地域がある場合は除外しておくのもオススメです。
ただしターゲット層を絞りすぎると、今度はクリック数が減少する可能性もあるため注意が必要です。
なおGoogle広告で配信する/しない地域を設定する方法は、下記の記事で紹介しているのでご参考ください。
関連記事:Google広告で地域設定する手順から注意点まで徹底解説!
ABテスト実施
ABテストを実施するのもクリック単価を下げる際に有効です。
たとえば広告のクリエイティブを変更する前と後を比較し、クリック率の高い方を分析するなどが挙げられます。
クリック率が高ければ品質スコアも高まり、クリック単価が下がる可能性もあるでしょう。
ABテストを行う際の手順は下記のとおりです。
- 改善できそうな要素を見つける(例:広告のクリエイティブ、説明文、レイアウト)
- AとBを作成する(例:A:既存の広告クリエイティブ B:異なる広告クリエイティブ)
- 同じ期間でAとBの広告を表示して、結果を比較する
- 効果のある広告を分析し、改善につなげる
ABテストを実施するのは時間がかかるものの、データに基づいて確実に改善できるので、費用対効果を高めるためにもオススメです。
宣伝する商材を見直す
こちらは最終手段ですが、宣伝する商材を見直すことです。
業界・商材によってはどうしてもクリック単価が高くなるケースもあり、単価を下げる施策を行なっても焼け石に水となります。
クリック単価が高い結果、トータルの収支が赤字になってしまうと広告を配信する目的がわからなくなってしまいます。
そのためクリック単価と宣伝する商品のコストを考えて選ぶことも大切です。
Google ディスプレイ広告(GDN)のクリック単価(CPC)は安ければいい?
ここまでクリック単価を下げるポイントについて解説しましたが、必ずしもクリック単価が安ければ良いという訳ではありません。
もちろんクリック単価が低ければ、広告にかけるコストは安く済みます。
しかし安くした結果、コンバージョンを1件獲得するコストが増えては意味がありませんよね。
逆にクリック単価を上げたことで良い掲載面に広告が出るようになり、コンバージョン1件あたりの獲得コストが下がって費用対効果が改善したケースもあります。そのため単価を下げることが全てではない、ということもご理解ください。
さらにクリック単価が低ければ、競合もカンタンに参入できてしまうデメリットもあります。
また、単価が低いことで広告表示の機会損失が増える可能性も考えられるでしょう。
クリック単価を上げておけばターゲットとなるユーザーに広告を届けることができたのに、入札単価を低くしたことで広告が表示されないということです。
このようにクリック単価が安いことで起こりうるデメリットもあります。
そのため自社広告にとって最適解のクリック単価は、PDCAを回し分析・改善を継続して見つけていくことが大切です。
Google ディスプレイ広告(GDN)のクリック単価 まとめ
今回はクリック単価の概要から具体的にクリック単価を下げる方法について解説しました。
最後にまとめておきます。
クリック単価は主に「オークション」と「入札価格」によって決まります。
また、下記の状況だとクリック単価が増えやすいので、改善できる場所は見直していきましょう。
- 人気の商材を扱っている
- オーディエンスターゲティングを使用している
- コンバージョン数の最大化を使用している
具体的にクリック単価を下げる方法は下記のとおりです。
- クリック数の最大化を利用
- 広告の品質スコアを向上させる
- 不要なオーディエンスターゲティングを削除する
- ターゲット層を絞る
- ABテストを実施
- 宣伝する商材を見直す
ただし文中でもお伝えしたとおり、「クリック単価を下げること」=「費用対効果を高める」ではありません。
むやみにクリック単価を下げてしまい、逆に1件あたりのコンバージョンにかかるコストが増えてしまったという事例もあります。
そのためABテストなどPDCAを回し、費用対効果がもっとも高くまるクリック単価を探していくことも重要です。
ぜひこの記事を参考に、広告の費用対効果を高めていきましょう!