GDNのレスポンシブディスプレイ広告で成果を高める4つのポイント|メリットや入稿規定も解説
2025/03/09 WEB広告GDN(Google Display Network) のレスポンシブディスプレイ広告は、訴求効果も大きく、今や広告フォーマットの主流といっても過言ではないでしょう。実際、レスポンシブディスプレイ広告の需要は増加傾向にあり、情報を求めている企業も多いようです。
しかし、広告を運用する際は、導入メリットや入稿規定に加え、広告効果を高めるポイントを押さえなければ期待しているような費用対効果は望めません。
そこで今回は、GDNのレスポンシブディスプレイ広告の成果を高める4つのポイントに加え、導入メリットや入稿規定について詳しく解説します。
目次
GDNのレスポンシブディスプレイ広告とは?
GDNのレスポンシブディスプレイ広告とは、機会学習を用いた最適化によって効果の高い広告枠に配信されるキャンペーンのことです。従来のレスポンシブ広告は、サイズや表示形式フォーマットを広告枠に合わせて自動調整されていました。
このレスポンシブディスプレイ広告はサイズや表示形式の自動調整に加え、複数の画像・見出し・広告文を入稿しておくと自動で組み合わせて配信。最適な組み合わせになるよう調整する点が大きな特徴となっています。
入稿する際に必要なアセットの種類は、次の5項目になります。
- 広告の見出し
- 長い広告見出し
- 説明文
- 画像または動画
- ロゴ
このレスポンシブディスプレイ広告は、1つの広告で画像広告のほか、テキストだけの広告としても表示されます。
しかも、Google社の運営するYouTubeやGmailだけでなく、Googleと提携している3,500万ものWebサイトやアプリのユーザーにもアプローチできるため、運用次第で大きな広告効果を期待できるでしょう。
GDNのレスポンシブディスプレイ広告の3つの導入メリット
GDNのレスポンシブディスプレイ広告を導入するメリットは、いくつかあります。
この章では、代表的な3つのメリットについて具体的に説明しましょう。
インプレッションの向上
まず1つ目のメリットは、インプレッションの向上です。
ユーザーに広告が表示された回数を示すインプレッションは、広告のリーチを図るうえで不可欠な数値といってよいでしょう。というのは、インプレッションが向上したということは、多くのユーザーが広告を目にしたといえるからです。
ただでさえ、Google社の運営する世界中の広範囲にわたるユーザーにアプローチできることに加え、さまざまなサイズ枠に応じた広告が自動的に配信されれば、当然、インプレッション数も増加するでしょう。
インプレッション数が多ければ、潜在層のユーザーにアプローチする機会も増え、ブランドの想起率や認知度も拡大できます。
このインプレッション数は、CTR(クリック率)を算出する際にも使用され、クリエイティブの効果やコスト効率を図るうえでも重要な数値です。
多彩な広告配信
多彩な広告を手軽に配信できるのも、レスポンシブディスプレイ広告を導入するメリットのひとつといえます。
これまでの広告入稿は、各フォーマットの適応サイズに合わせて見出しや説明文・ロゴ・画像を設定する必要がありました。
一方、レスポンシブディスプレイ広告は、画像・見出し・広告文を設定するだけで、機械学習が全ての広告枠に適した広告をさまざまなフォーマット形式やサイズに自動調整して配信してくれます。
表示機会の喪失を回避し、広告運用側が広告キャンペーンに合わせて配信設定を調整する手間も省けるため、運用も非常に効率的です。
なお、レスポンシブディスプレイ広告は、1つの広告に適用できるテキストや画像といったアセット数に制限があります。
配信の自動最適化
GDNのレスポンスディスプレイ広告を運用する3つ目のメリットは、配信の自動最適化です。
AIの自動最適化は、ある程度の学習期間を要するものの、レスポンシブディスプレイ広告を配信したデータを分析したうえで、自動的に最も効果的な組み合わせを選定してくれます。
配信面もバナー広告より広いので広範囲なリーチを獲得でき、広告の制作コストも抑えられるため、広告運用側も本来必要な市場調査やクリエイティブの検討などに時間を回せるようになるでしょう。
1つの広告セットで複数のフォーマットやサイズに合わせて調整するだけでなく、最適化された広告の自動生成配信により、広告運用側の人的コストも削減できるのです。
しかし、自動生成ということは、裏を返せば広告運用側が組み合わせや表示内容に関与できないともいえます。
広告運用側が意図していた商材に盛り込みたいメッセージ性や内容と乖離した外観など、一貫性のない広告が自動生成される場合もあるため、注意が必要です。
GDNのレスポンシブディスプレイ広告の成果を高める4つのポイント
GDNのレスポンシブディスプレイ広告はメリットも多いキャンペーンですが、これらのメリットをどう活かして運用するかが成功のカギになります。
この章では、レスポンシブディスプレイ広告の成果を高める4つのポイントについて説明しましょう。
テキストを検討する
1つ目の押さえるべきポイントとしては、テキストの検討です。
媒体や商材にもよりますが、レスポンシブディスプレイ広告では、画像と同じくらいテキストがCTR(クリック率)やコンバージョン率(CVR)に大きく影響するといわれています。
見出しを短くして広告内容を分かりやすく伝える、結論ファーストにするなどの工夫も取り入れながら、複数のテキストを準備しましょう。
ABテストを実施する
ABテストを実施するのも、GDNのレスポンシブディスプレイ広告の成果を高めるポイントになります。
ABテストで比較するポイントは、大きく分けて次の5項目です。
- ペルソナ(同一のクリエイティブで複数のターゲティングに実施する)
- CTA(具体的な行動を喚起するため、複数のテキストで実施する)
- 色(複数のクリエイティブでイラスト・テキスト・背景色の組み合わせを変えて実施する)
- デザイン(使用対象の大きさ・人物の性別・年代・フォントサイズを変えて実施する)
- テキスト(ペルソナを意識しながら表現を変えて実施する)
ABテストは、アセットを網羅するだけに留めず、リンク先で実施するのも効果があります。
実際、リンク先をWebサイトの店舗の詳細ページとTOPページとで実施した企業では、コンバージョン率が3倍以上に向上した事例もありました。
レスポンシブディスプレイ広告では、Google社がおすすめする設定と広告運営側のクリエイティブの構成を比較し、広告の有効性を確認することもできます。
広告運用側のクリエイティブについて、Google社が「低い・平均的・高い・非常に高い」の4段階で総合的に評価し、おすすめの設定を反映させると有効性の評価が変化する仕組みです。
ちなみに、掲載要件となる2つの見出しと1つの説明文が追加されていない場合は、「未完了」と評価されます。
広告の有効性は、広告の掲載要件を満たし優れたアセットを複数追加すると上がるため、テストを実施しながらアセットを増やして「非常に高い」を目指しましょう。
複数の広告パターンのABテストによってクリエイティブを最適化することで、対象となる全てのユーザーに対し、関連性の高い広告を効率的に配信できます。
GDNのレスポンシブディスプレイ広告で成果を最大限に高めるためには、短いサイクルのPDCAでクリエイティブを改善しようとする姿勢が大切です。
レスポンシブディスプレイ広告の自動最適化という特長を活かし、バナーの工夫やリサイズに要していた時間をテストの実施や検証に回し、最適な運用方法を見つけましょう。
LPと広告に統一感を持たせる
GDNのレスポンシブディスプレイ広告の成果を高めるためには、LPと広告との統一感も大事なポイントです。
ほかの広告キャンペーンにもいえますが、LPと広告内容とが乖離していると、ユーザーが途中で離脱する可能性は高くなります。
特に、GDNのレスポンシブディスプレイ広告では、AIがアセットに設定した画像や広告見出し、広告文などを自動的に組み合わせて生成します。
それぞれの組み合わせによって、商材やテーマが異なる印象をユーザーに与えないよう注意しましょう。
GDNとターゲティングを組み合わせる
GDNとターゲティングを組み合わせるのも、レスポンシブディスプレイ広告の成果を高めるためには有効です。
Google広告を配信する際のターゲティングは、大きく分けて3つあります。
1.キーワードターゲティング(コンテンツターゲティング)
・ユーザーの入力したキーワードと関連性の深いアプリやWebサイト・動画に広告を配信する
2.トピックターゲティング(トピックターゲット)
・商材またはサービスをトピックでカテゴリ分けすると、関連性の深いアプリやWebサイト・動画に広告を配信する
・サブトピックも設定できる
3.プレースメントターゲティング
・自動または手動プレースメントの設定により、URLや名称を指定し、広告の配信の有無を設定する
この3つを精査しユーザー・ターゲティングと組み合わせることで、コンバージョンを獲得する可能性の高いターゲットに絞り込んだ広告の配信が可能です。特に、GDNのレスポンシブディスプレイ広告は、ユーザーの少ないリマーケティングとの親和性が高いといわれています。
GDNのレスポンシブディスプレイ広告とユーザー・ターゲティングを上手に活用し、キャンペーンの管理やクリエイティブの作成などにかかる時間的コストを削減しつつ、掲載結果やリーチの向上を図りましょう。
GDNのレスポンシブディスプレイ広告の入稿規定
GDNのレスポンシブディスプレイ広告には、Google広告のポリシーを遵守することはもちろんですが、入稿規定があります。特に、YDAなどのレスポンシブ広告など複数の媒体で広告を運用している場合は入稿規定が異なるため、注意が必要です。
この章では、テキスト・画像ロゴ・動画の3つの要素から、レスポンシブディスプレイ広告の入稿規定について説明します。
テキスト
テキストに関する入稿規定は、次の通りです。
項目 |
字数制限 |
入稿数 |
広告見出し |
全角15字以内(半角30字以内) |
最大5 |
長い広告見出し |
全角45字以内(半角90字以内) |
1 |
説明文 |
全角45字以内(半角90字以内) |
最大5 |
会社名 |
全角12字以内(半角25字以内) |
広告見出しは、大きな成果を得るためにも最大5つを用意しましょう。
各見出しは、有益な情報や商材価値を明確に伝えつつ、独自性を持たせる必要があります。長い広告見出しは、ユーザーに興味を引くような商材やブランドに関する役立つ情報を記載しましょう。
広告の配信場所によっては、広告文なしで表示される場合があるため、長い広告見出しを一読して商材やブランドの内容を理解できるよう具体的に説明する必要があります。説明文は、広告見出しと一緒に表示されるため、商材や用途を補完するような内容を記述しましょう。
なお、テキストの作成時には、次の3つに注意してください。
- 広告見出しの最後の句読点は不要
- 見出しと説明文のテキストは重複させない
- 会社名は広告見出しに使用しない
広告見出しや説明文を複数入稿する場合は、自動的に組み合わせて生成されることを念頭に入れ、見出しと説明文の内容がうまく馴染むようクリエイティブを検討しましょう。
画像・ロゴ
レスポンシブディスプレイ広告では、Meta広告(Facebook広告)と同様に画像枠内のテキストの割合を20%以内に収める必要があります。
画像・ロゴの入稿規定は、次の通りです。
名称 |
入稿の有無 |
サイズ |
ファイル容量 |
横長画像 |
必須 |
横縦比 1.91:1(600×314以上) ※1200×628を推奨 |
5120 KB |
スクエア画像 |
必須 |
横縦比 1:1(300×300以上) ※600×600を推奨 |
5120 KB |
ロゴ |
省略可 |
横縦比1:1(128×128以上) 横縦比4:1(1200×1200または512×128以上) ※1200×300を推奨 |
5120 KB |
画像は、企業のサービスや商材、ブランドをユーザーに伝えるための重要な要素であるため、高品質なものを用意する必要があります。
アニメーションではない良質な静止画像を準備し、次の8項目に該当するような画像を使用しないよう注意しましょう。
- ぼやけた画像
- ゆがんだ画像
- あせた色や反転、フィルターを過度にかけた色の画像
- 鏡像を含む画像
- 罫線を含む画像
- コラージュ画像
- 背景にデジタルを合成した画像
- 上部にテキストが重なった画像
なお、ロゴを省略した場合は、運営する企業のブランド名の一部や地球儀などの標準的なアイコンが表示されます。
一方で、ロゴを提供する際は、次の点に注意しましょう。
- ロゴが中央に配置されるようトリミングする
- 小さい文字の文や飾りを追加しない
- なるべく背景を透明にする
- 余白やパディングの大きさは、ロゴサイズの 1/16 以内
動画
レスポンシブディスプレイ広告の動画に関する入稿規定は、次の通りです。
動画時間 |
最大30秒以内 |
アスペクト比 |
16:9、1:1、2:3 |
入稿数 |
最大5 |
Google社では、上限数までアセットを設定するよう推奨しています。
特に、動画の内容によってはユーザーに強いインパクトを与えられるため、広告の有効性と掲載順位を高めるためにも、Googleの動画推奨である2本を入稿しましょう。
まとめ
広告キャンペーのなかで主流になりつつあるGDNのレスポンシブディスプレイ広告は、AIの機械学習による自動最適化を上手に活用する必要があります。
また、レスポンシブディスプレイ広告に限りませんが、ユーザーの嗜好や行動は時間とともに変化するため定期的にクリエイティブを差し替え、変化に対応した顧客吸引力を維持することも重要です。
自動化によって削減した時間を有効に活用し、広告効果を最大限に高めましょう。