2024年2月から、メルマガの到達率が悪化のリスク!Gmailの新迷惑メール要件について

2024/01/12 CRM・マーケティングオートメーション

あまり大々的にニュースになってないので知らない方も多いと思いますが、実は2024年の2月から、Gmailの迷惑メール要件が厳しくなることが発表されています。
※出所:New Gmail protections for a safer, less spammy inbox

アップデートによって、Gmailアドレス宛にメルマガなどメールマーケティングを行っている事業者(個人・法人)は到達率悪化などの影響が出る可能性があります。

技術的なことについてはGoogleの公式リリースや専門的に解説している記事があるのですが、技術に明るくないマーケターの方からはそれでもよくわからないという声が多数・・。

ということで、この記事ではマーケター向けに極力わかりやすく噛み砕いて概要をまとめてみたいと思います。

わかりやすさ重視のため、専門的な部分は正確性に欠ける部分があるかもしれませんので、その点ご容赦ください!詳細も含めた解説はこちらの記事が非常にわかりやすいのでおすすめです。

※外部リンク:Gmailの新スパム規制対応全部書く

 

そもそもこれって何の話?

2024年2月以降、Gmail(「@gmail」のドメインメール)宛に送られるメールに対して、スパム(迷惑メール)対策強化のため、配信者側でクリアすべき要件が厳しくなるという話です。

また、米国Yahoo!も同様に、2024年2月から同様の対策を行うと発表しています。

 

どんな影響があるの?

新たに設定された要件がクリアできていない場合、マーケティングやカスタマーサクセス活動として一括配信で送っているメルマガが、Gmailの宛先に届かなくなる(≒迷惑メールとして処理される)リスクがあります。

しかも、こちらの新スパム規制は2月から一気に適用されるのではなく、数ヵ月間以上かけて徐々に厳しくなっていくため、2月時点で影響が小さくても油断はできません。

また、メール配信ツールによってはスパム報告やバウンス(≒メール不達)の数が確認できなかったりするので、数ヵ月経って既に多くの機会損失を生んでから「あれ、なんか最近メルマガの開封率が下がってるな?」みたいなことになる可能性もあります。

 

うちの会社は影響受けるの?

Gmailアドレスにメルマガを配信している場合、影響を受ける可能性があります。独自ドメイン限定でリストを集めていたりしない限り、Gmailアドレスが自社のハウスリストにないという方はいないのではないでしょうか。

また、特にGmailアカウントに送信するメールがおよそ5,000通/日を超える場合、通常より厳しい要件が設定されます。

なお、Google Workspace(旧G Suite)で管理されている独自ドメインは、今回のアップデートの対象外となるようです。

 

具体的には、いつまでに何をすれば良いの?

以下がGoogleから発表されている送信者のガイドライン(スパム判定されないための要件)になります。

・ドメインに SPF および DKIM メール認証を設定します。
・送信元のドメインまたは IP に、有効な正引きおよび逆引き DNS レコード(PTR レコードとも呼ばれます)があることを確認します。詳細
・メールの送信に TLS 接続を使用します。Google Workspace で TLS を設定する手順については、メールのセキュアな接続を必須にするをご覧ください。
Postmaster Tools で報告される迷惑メール率を 0.10% 未満に維持し、迷惑メール率が決して 0.30% 以上にならないようにします。詳しくは、迷惑メール率の詳細をご覧ください。
・Internet Message Format 標準(RFC 5322)に準拠する形式でメールを作成します。
・Gmail の From: ヘッダーのなりすましはしないでください。Gmail では、DMARC の検疫適用ポリシーの使用が開始されます。Gmail の From: ヘッダーのなりすましをした場合、メール配信に影響する可能性があります。
・メーリング リストや受信ゲートウェイを使用するなどして、メールを定期的に転送する場合は、送信メールに ARC ヘッダーを追加します。ARC ヘッダーによって、メールが転送されたことが示され、送信者が転送者と見なされます。メーリング リストの送信者は、メーリング リストを指定する List-id: ヘッダーも送信メールに追加する必要があります。
・送信ドメインに DMARC メール認証を設定します。DMARC 適用ポリシーは none に設定できます。詳細
・ダイレクト メールの場合、送信者の From: ヘッダー内のドメインは、SPF ドメインまたは DKIM ドメインと一致している必要があります。これは DMARC アライメントに合格するために必要です。
・マーケティング目的のメールと配信登録されたメールは、ワンクリックでの登録解除に対応し、メッセージ本文に登録解除のリンクをわかりやすく表示する必要があります。

※引用元:メール送信者のガイドライン

2024年1月中には、これらすべてをクリアしていることを、しっかり確認するのがベストです。

ただ、これまでメールサーバの設定などに関わってない非エンジニアには、正直よくわからない項目もあるかと思います。

ということで、最低限まず押さえておきたいポイントを以下に箇条書きしました。厳しい方の要件をクリアできるに越したことはないので、そちらをベースにしています。

 

  1. ワンクリックで簡単に購読解除できるようにする
  2. 迷惑メール率を0.1%未満に抑える
  3. SPF、DKIM、DMARC認証を【すべて】パスする

 

1と2は既にクリアしている方が多いのではないかと思います。

1の購読解除については総務省が出している「特定電子メールの送信等に関するガイドライン」の中でも推奨されている内容であり、既に対応しているケースが多いと思いますが、未対応の場合はすぐに対応しましょう。

2の迷惑メール率(スパム報告数÷配信数)については、0.1%を超えるのは結構高い水準だと思います。配信頻度、内容、リストの取り方などを見直し、迷惑メール率は0.01%以下(欲を言えば0%)に抑えるのが良いでしょう。

 

3のSPF、DKIM、DMARC認証については、実際弊社宛に届いているメルマガの送信元でいくつか確認しましたが、2024年1月時点でも未対応な会社が多いように思います(特にDMARC認証)。

ここからの説明はどうしても専門用語が避けられないのですが、SPFとDKIM認証については、ネームサーバーのDNSレコードで設定します。DMARCはSPF認証とDMARCレコードを正しく設定した上で、ヘッダFromドメイン(送信元のドメイン)とSPFのドメインを一致させることでクリアできます。

このあたりについては冒頭でご紹介した記事の中でも詳しく説明されているので、詳細はそちらや他の記事に譲りたいと思います。

デジタルマーケターとして大枠を理解しておくことは大事ですが、社内にIT担当やエンジニアがいる場合は、その方に相談しながら実作業を進めるのが良いと思います。

 

うーん、まだよくわからない!という方に

この記事を読んだけど何をしたら良いかわからない、社内にエンジニアがいないので困っている、という方のために、社数限定で30分無料相談に乗りたいと思います。

恐らく時間内では実際の設定までは辿りつかないと思いますが、記事内でわからないところの解説や、進め方の方向性についてアドバイスは一定できるかなと思います。

ご希望の方は以下フォームから、メッセージの部分に「Gmailスパム規制について」と記載の上でお問い合わせください。

 

※無料相談については予告なく打ち切る場合がありますので、予めご了承ください。