Google広告における「コンバージョン数の最大化」とは?設定方法・メリデメ・注意点まで!
2024/11/02 WEB広告広告運用で成果を出すためには、コンバージョン数を増やしていくことが大切です。
コンバージョン数とはユーザーが「商品の購入」「問い合わせ」などのアクションを起こした回数です。
広告を運用する以上、商品の購入・問い合わせ・来店数などを増やしていく必要がありますよね。
そのため広告運用者はコンバージョン数を最大化するため日々努力を重ねるのですが、なかなかうまくいかないケースもあるかと思います。
「本業に加えて広告運用までやる時間ないよ…」
「コンバージョン数は増えているものの、どうすれば最大化できるのかわからない」
そんな時にぜひ知って欲しいのがGoogleの「コンバージョン数の最大化」機能です!
記事内で詳しく紹介しますが、コンバージョン数の最大化を利用することで最大限のコンバージョン数を得られるよう自動入札を行なってくれます。
そこで本記事では「コンバージョン数の最大化」の概要・設定方法からメリット・デメリットについて紹介します。
記事後半からはコンバージョン数の最大化を利用するタイミングも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
「コンバージョン数の最大化」の概要・仕組みについて
コンバージョン数の最大化とは、Googleが提供する「自動広告」機能です。
予算内で最大限のコンバージョン数を得られるように自動入札をしてくれます。
つまり今まで手動で行なっていたキーワードごとの細かい入札単価の調整は不要となり、「広告運用にかける時間」を削減できる機能です。
さらに2021年から目標とするコンバージョン単価の指定もできるようになっていますが、もちろん単価を指定せずに利用することも可能です。
コンバージョン数の最大化の仕組みとしてはユーザーの、
- デバイス
- 場所
- OS
- ブラウザ
- 広告主がアップロードした顧客リスト
など様々な項目を分析して、過去に配信した広告キャンペーンの履歴を照らし合わせます。
人間では分析できないデータも分析してくれるため、リソースの削減にもつながり、コンバージョン数UPの一助にもなり得ます。
自動入札機能とは?
自動入札機能とは名前のとおり、Googleが入札単価を自動で調整する機能です。
今回紹介する「コンバージョン数の最大化」も自動入札機能の一つで、他に6種類あります。
下記をご覧ください。
目標コンバージョン単価 | 指定したコンバージョン単価(CPA)以下で、コンバージョン数を最大化するよう入札単価を調整 |
目標費用対効果 | 指定した目標費用対効果を目指して入札単価を調整 |
コンバージョン値の最大化 | 予算内でコンバージョン値が最大となるよう入札単価を調整(後ほど紹介します) |
クリック数の最大化 | 予算内で広告のクリック数が最大となるよう入札単価を調整 |
目標インプレッションシェア | 設定された広告の掲載場所とその場所に表示される割合を目標として入札単価を調整 |
視認範囲のインプレッション単価(GDNのみ) | 視認される可能性が高い場所に広告が表示されるよう入札単価を調整 |
今回は「コンバージョン数の最大化」にスポットを当てて紹介しますが、他にも便利な自動入札機能があるので、戦略に応じて検討してみましょう。
「コンバージョン値の最大化」との違い
Googleの自動入札には「コンバージョン値の最大化」というよく似た文言の戦略があります。
ただし、どちらも異なる戦略です。
コンバージョン数の最大化は、シンプルに言えば「ユーザーにたくさん商品を買ってもらう」戦略です。
言い換えれば「売上の最大化」を目指す戦略ではありません。
一方コンバージョン値の最大化は「売上をたくさん獲得できるようにする」戦略となります。
つまりコンバージョン値の最大化は商品の「売れる金額」を、コンバージョン数の最大化は商品の「売れる量」に重きを置いています。
似たような言葉ではあるものの、意味合いは大きく異なるので設定する際はご注意ください。
コンバージョン数の最大化の設定方法
それではここから「コンバージョン数の最大化」の設定方法について紹介します。
まずはGoogle広告にログインしていただき、その後の流れは下記のとおりです。
①左メニュー内にある「キャンペーン」を選択
②設定したキャンペーンを選択
③上部の「編集」を選択
④「入札戦略を変更」を選択
⑤入札戦略の「コンバージョン数の最大化」を選択
⑥任意でコンバージョン単価を入力
最後に「適用」を選択して完了となります。
コンバージョン数の最大化をするメリット
ここからはコンバージョン数の最大化を利用するメリットについて見ていきましょう!
コンバージョン数を自動&予算内で増やせる可能性がある
コンバージョン数の最大化の大きな特徴が「自動で最適な金額を入札」してくれることです。
手動で広告運用をする場合、予算をオーバーしてしまったり、逆にまったく予算を使えなかったということもありえます。
そのため実際は得られるはずだったコンバージョンを獲得できなかったというケースもあるでしょう。
しかしコンバージョン数の最大化では、コンバージョン単価(CPA)の設定もできるため、平均コンバージョン単価を維持することが可能です。
平均コンバージョン単価とは広告経由で発生した総費用を、その総数で割った平均値を指します。
つまり平均コンバージョン単価を維持できるれば、予算をムダにせずコンバージョン数を最大化することが可能です。
運用の労力低減
コンバージョン数の最大化の特徴は「自動入札」なので、手動で単価の調整をする必要はありません。
そのため効果的に活用できれば広告運用にかける時間を減らすことができ、本業に集中することができます。
たとえば広告以外の集客施作を進めることもできますし、クリエイティブの制作にもリソースを使えます。
なおかつコンバージョン数を上げることが期待できるため、集客を広告で一気に伸ばしたい方にオススメの戦略と言えるでしょう。
コンバージョン数の最大化をするデメリット
ここからは「コンバージョン数の最大化」のデメリットについて見ていきましょう。
設定後にコンバージョン数が下がる可能性
後ほど説明しますが、「コンバージョン数の最大化」は機械学習を使用して最適な運用を試していく機能です。
設定した直後は学習期間中なので、コンバージョン数のパフォーマンスが下がりやすい傾向にあります。
ここで設定を大幅に変更すると機械学習がしづらくなるため、導入する際は「コンバージョン数は下がるかも」ということを覚えておきましょう。
ただ学習期間が完了すると成果が安定しやすい傾向にあります。
クリック単価が急増する可能性
コンバージョン数の最大化では1日の予算をすべて使い切るよう設計されているため、クリック単価が急増するケースがあります。
たとえば一日の予算が10,000円で、今まで手動で入札して6,000円程度で抑えていたとしましょう。
そのような場合でもコンバージョン数の最大化を導入すると、毎日予算10,000円を使い切ってしまうため、利用額が増額する可能性があります。
さらに手動入札とは異なり、上限クリック単価を設定できません。
そのため場合によっては、今まで数百円単位のクリック単価だったものが数万円になるケースあるので注意が必要です。
不特定多数のユーザーに広告が表示される可能性
コンバージョン数の最大化では、とにかくコンバージョンを発生させるように動くため、広告の露出化を最大限行います。
そのため「地域設定」などのターゲティングを適切に設定していないと、不特定多数のユーザーに広告が表示される可能性があります。
つまり関連性の低いユーザーに広告が表示される可能性があり、費用対効果が悪化しやすいです。
対策はカンタンで、ターゲティングを行いましょう。
ターゲティングを行うことで、余分な費用を支払う可能性は大幅に減ります。
具体的にターゲティングを設定する方法は下記のとおりです。
- Google広告にログイン
- キャンペーンを選択
- キャンペーン設定を開く
- ターゲティングの条件を設定
条件には、
- 地域
- 年齢
- 性別
- 興味関心
- 購買履歴
上記の5つがあるので、どのような人に商品を購入してもらいか、問い合わせをしてもらいたいかを検討して設定しましょう。
コンバージョン数の最大化で注意すること
コンバージョントラッキングを設定
コンバージョン数の最大化を利用するには、「コンバージョントラッキング」を設定しておく必要があります。
コンバージョントラッキングとは、ユーザーが広告をクリックした後の行動を分析するツールです。
機械学習に時間がかかる
「コンバージョン数の最大化」は機械学習によって行われるため、設定してもすぐに効果は見込めません。
一般的に設定してから2〜3週間程度かかると言われており、その間は設定を変にいじらず待っていなければいけません。
また、「直近30日間で50件程度」のコンバージョンがないとうまくいかない可能性もあります。
そのため作成したばかりのキャンペーンでコンバージョン数の最大化を利用するのは、避けた方が賢明です。
コンバージョン単価を設定する
コンバージョンの最大化では、コンバージョンする可能性が高いユーザーへ広告が表示されます。
言い換えるとコンバージョン単価が高くなる可能性があるということです。
そのためコンバージョン単価をあらかじめ設定しておかないと、思った以上の金額になる可能性があります。
コンバージョン単価を設定する具体的な方法はは下記のとおりです。
- Google広告にログイン
- キャンペーンを選択
- キャンペーン設定→「目標設定」タブを開く
- 「コンバージョン数の最大化」→「入札単価の制限」を選択
- コンバージョン単価を入力
コンバージョン単価を設定しないと、Google広告が自動的にコンバージョン単価を設定してしまうため、あらかじめ単価を決めておくのがオススメです。
過去30回以上のコンバージョンが発生している必要がある
コンバージョンの最大化は、過去の広告配信も学習します。
そのため利用するには「1ヶ月以上で30回以上のコンバージョン」が必要です。
もし30回以上のコンバージョンがない場合は、下記のマイクロコンバージョンを検討しましょう。
マイクロコンバージョン
マイクロコンバージョンとは、コンバージョンの手前に位置するアクションを指します。
このままだと意味が分かりづらいので、具体例を出します。
たとえばあなたがAmazonで初めて商品を買うとしましょう。
その場合、
- Amazonにアクセス
- 商品を探す
- 商品をカートに追加
- 支払い情報を入力
- 配送先を入力
- 購入
という流れが一般的ですよね。
この場合、Amazon側のコンバージョン(成果)は最後の「購入」部分です。
おさらいですがコンバージョンとは最終的な目標なので、この場合は「購入」が該当します。
その一方、購入に至るまでの「Amazonにアクセス」から「配送先を入力」までのアクションがマイクロコンバージョンとなります。
マイクロコンバージョンを設定するとコンバージョンのデータ蓄積スピードが格段に上がるため、結果的に「コンバージョン数の最大化」を利用するための条件クリアにつながり効果的な広告配信が可能です。
さらにマイクロコンバージョンを利用することで、コンバージョンに至るまでの経緯を把握することもできます。
たとえば「お問い合わせ」にユーザーが流れているのであれば、お問い合わせ内容を分析・改善することで問題点の把握も可能です。
このように広告運用のパフォーマンス改善にもつながるためオススメです。
「コンバージョン数の最大化」を使うタイミングとは?
コンバージョン数の最大化を利用するタイミングは、下記の2つです。
- 入札の手間を減らして、広告クリエイティブの作成に力を入れたい
- 広告運用にかけるリソースを削減したい
ただしコンバージョン数の最大化は、ある程度コンバージョン数がないと効果的に活用することが難しいです。
そのため一定数コンバージョン数が獲得できているという状況のもと利用しましょう。
また、コンバージョン数が一定数ある際に利用することで、
- 元々かかっていたリソースと自動化した時の成果の違い
- 手動で行なっていた時とコンバージョン数の最大化を利用した時の違い
の2つが分かります。
広告運用にかけていた時間を削減できるため、その時間を広告クリエイティブに割くこともでき、更なる効果的な広告運用が期待できます。
まとめ
今回はGoogleの「コンバージョン数の最大化」について解説しました。
最後にまとめておきます。
コンバージョン数の最大化は「自動広告」機能で、自動で入札単価を調整し、コンバージョン数を最大化させるようにする機能です。
メリットとしては、
- コンバージョン数を自動かつ予算内で増やせる可能性がある
- 運用の労力低減
が挙げられます。
ただし機械学習を行った上で運用することになるため、設定後はコンバージョン数が一時下がる可能性やクリック単価が急増する可能性が考えられます。
また過去1ヶ月以内に30回以上のコンバージョンが必要であり、成果が出るまで2〜3週間程度はかかるのでご注意ください。
そのためある程度コンバージョン数が増えてきたら利用する、という流れがオススメです。
ただし、できる限り早くコンバージョン数の最大化を利用したいという方は、マイクロコンバージョンを導入するのも一つの手です。
もし、
「広告運用にかける時間がない」
「コンバージョン数を予算内で効率よく増やしたい」
という方は、ぜひコンバージョン数の最大化を検討してみましょう!