【2025年最新】Google広告マッチタイプの選び方と効果最大化戦略

2025/01/14 WEB広告

Google広告の成功には「適切なユーザーに適切なタイミングで広告を表示する」ことが不可欠です。この精度を左右する最も重要な要素の一つが「マッチタイプ」です。マッチタイプとは、設定したキーワードに対してどのような検索クエリで広告を表示させるかを制御する機能です。

適切なマッチタイプを選択することで以下のようなメリットがあります。

  • 広告予算の効率的な使用
  • クリック率(CTR)の向上
  • コンバージョン率の改善
  • 不要なインプレッションの削減

一方、マッチタイプへの理解が不足していると、以下のようなリスクがあります

  • 無関係なキーワードでの広告表示
  • 広告費の無駄遣い
  • 低いROI(投資対効果)

本記事では、2025年3月時点の最新情報に基づき、Google広告のマッチタイプの種類、選択方法、最適化戦略について詳しく解説します。最新の変更点も踏まえながら、実践的なアドバイスを提供していきます。

Google広告マッチタイプの種類と詳細説明

2025年3月現在、Google広告で利用できるマッチタイプは主に3つです。それぞれの特徴と使い方を詳しく見ていきましょう。

1. 完全一致(Exact Match)

表記方法

 [キーワード]

概要

完全一致は、検索意図が同じと判断されるクエリに広告が表示されるマッチタイプです。かつての完全一致はキーワードと完全に一致する検索クエリにのみ表示されましたが、現在は「検索意図が同じ」と判断されるクエリにも広告が表示されるよう進化しています。

具体例

キーワード: [女性用革靴]

表示される検索クエリ:

  • 「女性用革靴」(完全一致)
  • 「女性 革靴」(同義語)
  • 「レディース革靴」(意図が同じ)
  • 「女性革靴」(単数形/複数形、スペルミス、略語)

メリット

  • 高い関連性によるCTRとコンバージョン率の向上
  • 無駄なクリックの削減
  • 費用対効果の高い広告運用が可能

デメリット

  • トラフィック量が限定的
  • 一部の関連性の高い検索クエリを逃す可能性

 

2. フレーズ一致(Phrase Match)

表記方法

“キーワード”

概要

フレーズ一致は、キーワードの意味に近い検索クエリや、検索意図が近いクエリに広告が表示されるマッチタイプです。2021年に絞り込み部分一致が廃止され、その機能はフレーズ一致に統合されました。現在のフレーズ一致は、より柔軟な一致を可能にしています。

具体例

キーワード: “オーガニック化粧品”

表示される検索クエリ:

  • 「オーガニック化粧品 おすすめ」
  • 「安い オーガニック化粧品」
  • 「オーガニック化粧品 初心者」
  • 「化粧品 オーガニック 人気」(語順が異なる)
  • 「天然成分 スキンケア製品」(意図が近い)

表示されない検索クエリ:

  • 「オーガニック食品」(意図が異なる)
  • 「化粧品の成分について」(関連性が低い)

メリット

  • 完全一致より広いリーチ
  • 検索意図に基づいた柔軟なマッチング
  • 適度な関連性を維持しながらのトラフィック獲得

デメリット

  • 完全一致よりもやや関連性が低下する可能性
  • 適切な除外キーワードの設定が必要

 

3. インテントマッチ(Intent Match、旧:部分一致/Broad Match)

表記方法

キーワード(記号なし)

概要

インテントマッチ(旧称:部分一致)は、GoogleのAIが「ユーザーの検索意図」に合致すると判断したさまざまな検索クエリに広告を表示するマッチタイプです。2025年時点では、AIとGoogleの機械学習がさらに進化し、ユーザーの真の検索意図を理解した高度なマッチングが実現しています。名称も「部分一致」から「インテントマッチ」に変更され、より検索意図に焦点を当てたマッチングを実現します。

具体例

キーワード: ノートパソコン 

表示される検索クエリ:

  • 「ノートパソコン」
  • 「ラップトップPC 比較」
  • 「学生向けコンピューター」
  • 「リモートワーク用PC」
  • 「タブレットとノートパソコンの違い」
  • 「在宅勤務のための機器」(関連する意図)

メリット

  • 最も広いリーチが可能
  • AIによる高度な検索意図理解でコンバージョン獲得の可能性向上
  • 予想していなかった有効なキーワードの発見
  • より少ないキーワードで多くのクエリをカバー可能

デメリット

  • 関連性の低い検索クエリに表示されるリスク(ただしAIの進化により大幅に改善)
  • 除外キーワードによる調整が重要

AIの進化とマッチタイプへの影響

2025年のGoogle広告マッチタイプは、AIと機械学習の進化により大きく変わりました。特に注目すべき変化は以下の3点です:

  1. 検索意図理解の深化:単なるキーワードの一致だけでなく、検索の背景にある本当の意図を理解できるようになりました。
  2. コンテキスト認識の向上:ユーザーの状況や過去の行動も考慮したマッチングが可能になりました。
  3. 言語処理能力の進化:多言語間での意図理解や文脈把握の精度が向上しました。

これらの進化により、特にインテントマッチは単なる「広範囲なマッチタイプ」から「高度に洗練された検索意図マッチング」へと変貌を遂げました。

マッチタイプの活用ポイント

1. インテントマッチ × 自動入札で成果を最大化

インテントマッチは、他のマッチタイプでは使用できないシグナルを使用して、入札を行うことができます。「コンバージョン数の最大化」「目標コンバージョン単価」などの自動入札と組み合わせることで、広範囲かつ角度の高いユーザーにアプローチすることが可能です。

2.検索語句を定期的にチェックする

インテントマッチは便利ですが、思わぬキーワードで広告が表示されることもあります。定期的に検索語句レポートを見て、意図しないキーワードに広がっていないか確認しましょう。

3. 除外キーワードを定期的に見直す

除外キーワードを使用することで、広告のターゲット層以外への表示を避け、広告効果を高めることができます。パフォーマンスを低下させている語句を定期的に除外キーワードに追加し、追加した除外キーワードが実際に効果があったのかどうかを振り返ることが重要です。

マッチタイプの選び方と戦略

シチュエーションに応じたマッチタイプ選択

キャンペーンの目的やシチュエーションによって、最適なマッチタイプは異なります。2025年の最新傾向を踏まえた選択ガイドラインを紹介します。

予算が限られており、運用にあまり手間をかけられない場合

おすすめ組み合わせ完全一致、フレーズ一致

戦略のポイント

  1. まずは、購入や問い合わせに繋がりやすいと考えられるキーワードを完全一致で設定しましょう。例えば、「[名古屋の革靴修理]」や「[自社の商品名]」のように、検索する人の目的がハッキリしているキーワードに絞ることで、予算を効率的に使えます。
  2. 完全一致で効果が出始めたら、少しずつフレーズ一致のキーワードを追加していくことを考えてみましょう。例えば、「”革靴修理 おすすめ”」や「”自社商品名 の評判”」など、より具体的なニーズを持つユーザーにアプローチできます。
  3. 最初からたくさんのキーワードを設定するのではなく、効果を測りながら少ずつ増やしていくのがおすすめです。

コンバージョン数を大きく伸ばしたい場合

おすすめ組み合わせ:インテントマッチ

戦略のポイント

  1. 幅広いキーワードで、あなたのサービスや商品に興味を持ちそうなユーザーにアプローチします。AIが進化しているので、以前よりも関連性の高い検索に広告が表示されやすくなっています
  2. 「コンバージョン数の最大化」や「目標コンバージョン単価」といった自動入札機能を使うと、効率よく問い合わせを増やすことができます。
  3. インテントマッチを使う場合は、関係ない言葉で広告が表示されないように、除外キーワードを登録しておきましょう。定期的にリストを見直すことも大切です。

自社ブランド名で確実に上位表示を取りたい場合

おすすめ組み合わせ:フレーズ一致と完全一致を中心に運用

戦略のポイント

  1. 自社のブランド名や主要なサービス名は、完全一致で設定しましょう。これにより、ユーザーがあなたの会社名やサービス名を正確に検索した際に、確実に広告を表示させることができます。
  2. ブランド名の表記ゆれや、サービス名と関連するキーワード(例:「[会社名] 口コミ」「[サービス名] 料金」など)をフレーズ一致で設定することで、より幅広い検索に対応できます。
  3. 狙った掲載位置に広告を出稿していくことが大切なので、手動入札や目標インプレッションシェアなどの入札戦略も活用できます。

マッチタイプの設定方法

新規キーワード追加時

1. Google広告アカウントにログインします。

2. キャンペーンと広告グループを選択します。

3. 左側のメニューから「キーワード」をクリックします。

4. 「+」ボタンをクリックして新しいキーワードを追加します。

5. キーワードを入力する際に、以下のいずれかの方法でマッチタイプを指定します。

  • 完全一致: キーワードを角かっこ [] で囲みます。(例: [女性用革靴])
  • フレーズ一致: キーワードを二重引用符 ” ” で囲みます。(例: “オーガニック化粧品”)
  • インテントマッチ: キーワードをそのまま入力します。(例: ノートパソコン)

6. 必要に応じて入札単価などを設定し、「保存」をクリックします。

 

既存キーワードの編集時

  1. Google広告アカウントにログインします。

2. キャンペーンと広告グループを選択します。

3. 左側のメニューから「キーワード」をクリックします。

4. 編集したいキーワードにカーソルを合わせ、鉛筆アイコンをクリックします。

5. 表示された編集画面で、キーワードの表記を変更することでマッチタイプを変更できます。

  • 完全一致に変更したい場合は、キーワードを角かっこ [] で囲みます。
  • フレーズ一致に変更したい場合は、キーワードを二重引用符 ” ” で囲みます。
  • インテントマッチに変更したい場合は、キーワードから記号を削除します。

6. 「保存」をクリックして変更を適用します。

 

マッチするキーワードが複数存在する場合の優先度

Google広告では、複数のキーワードがユーザーの検索語句にマッチすることがあります。そんな時、「どのキーワードで広告が表示されるんだろう?」と疑問に思いますよね。

優先順位の基本としては、「よりピンポイントなキーワードが有利」です。

Googleは、ユーザーの検索意図に最も近い広告を表示しようとするため、一般的にはより具体的でピンポイントなキーワードが優先的に選ばれる傾向があります。

それを踏まえて、設定の優先順位はおおよそ次のようになっています。

1.検索語句と同一の完全一致キーワード

(例)ユーザーの検索語句が「スカイダイビング ライセンス」の場合

設定キーワード①:[スカイダイビング ライセンス](完全一致)

設定キーワード②:”スカイダイビング ライセンス”(フレーズ一致)

もしユーザーが検索した言葉と、あなたが設定した完全一致キーワードが全く同じ(または、わずかなスペルミスなどを修正したもの)であれば、他のどんなキーワードよりもこの完全一致キーワードが優先されます。

よってこの場合、①[スカイダイビング ライセンス](完全一致)が優先されます。

 

2.検索語句と同一のフレーズ一致およびインテントマッチキーワード

(例)ユーザーの検索語句が「スカイダイビング ライセンス」の場合

設定キーワード①:”スカイダイビング”(フレーズ一致)

設定キーワード②:スカイダイビング ライセンス(インテントマッチ)

完全一致キーワードがない場合、次に優先されるのは、ユーザーの検索語句と同一のフレーズ一致またはインテントマッチのキーワードです。

よってこの場合、②スカイダイビング ライセンス(インテントマッチ)が優先されます。

 

3.関連性の高いキーワード(AIによる判断)

(例)ユーザーの検索語句が「近くのスカイダイビングの認定資格」の場合

設定キーワード①:スカイダイビング ライセンス(インテントマッチ)

設定キーワード①:初心者向けのスカイダイビング コース(インテントマッチ)

もし検索語句と完全に同じキーワードがない場合、GoogleのAI(人工知能)が、あなたの設定しているキーワードの中で最も関連性が高いと判断したキーワードが選ばれます。

「認定資格」という言葉は「ライセンス」の方が「コース」よりも意味合いが近いため、

この場合、スカイダイビング ライセンス(インテントマッチ)が優先される可能性が高くなります。

 

4.広告ランク

上記の優先順位で複数のキーワードが同じ順位だった場合、最後に考慮されるのが広告ランクです。広告ランクは、入札単価、広告の品質スコア、広告表示オプションなどによって決まります。広告ランクが最も高い広告が表示されることになります。

 

優先ルールの例外

以下のケースではここまでご紹介した優先ルールが適用されないため注意が必要です。

1.キャンペーン予算が上限に達している場合

たとえ設定したキーワードが、上記の優先順位ルールで上位に位置していたとしても、キャンペーンの1日の予算が上限に達してしまっている場合、そのキーワードで広告を表示することができません。

予算が限られているキャンペーンでは、予算を使い切ってしまうと、その日の広告表示がストップしてしまいます。そのため、通常であれば広告が表示されるはずのキーワードでも、予算不足のために表示されないことがあるのです。

キャンペーンA:完全一致キーワード [スカイダイビング コース] を設定

キャンペーンB:インテントマッチキーワード スカイダイビング コース を設定

検索語句:「スカイダイビング コース」

キャンペーンAの1日の予算が上限に達してしまっている場合、このキャンペーンのキーワードでは広告を表示できません。その結果、優先順位は低いものの、予算がまだ残っているキャンペーンBのインテントマッチキーワードによって広告が表示されることがあるのです。

2.表示につながらないキーワードである場合

キーワードが検索語句に一致するはずなのに、広告が表示されないというケースもあります。これには、キーワードの優先順位とは別の理由が考えられます。

考えられる要因は主に3パターンあります。

  • キーワードの検索ボリュームが少ない

Googleでの検索回数がほとんど、または全くないキーワードは、一時的に無効となり、広告表示に使われません。そのため、優先順位が高いはずのキーワードでも、検索ボリュームが少ない場合は、他のキーワードで広告が表示されることがあります。

  • 広告グループの広告やランディングページが不承認

広告グループ内のすべての広告、またはランディングページがGoogleのポリシーに違反しているなどの理由で不承認となった場合、その広告グループ内のキーワードは一切広告表示に使われません。

  • ターゲティング条件が満たされていない

キャンペーンや広告グループで地域などのターゲティングを設定している場合、その条件を満たさないユーザーの検索に対しては、キーワードが一致しても広告は表示されません。例えば、名古屋に住む人だけをターゲットにしている場合、東京の人が同じキーワードで検索しても広告は表示されません。

 

まとめ:2025年のGoogle広告マッチタイプ戦略

ここまで、2025年最新のGoogle広告マッチタイプについて、その種類、選び方、活用ポイント、そして優先順位のルールとその例外まで詳しく解説してきました。

2025年現在、Google広告のマッチタイプは、完全一致、フレーズ一致、そして進化したインテントマッチの3つが中心となっています。特にインテントマッチは、AIの力を借りてより高度な検索意図の理解を実現し、広告運用の可能性を大きく広げています。

しかし、それぞれのマッチタイプにはメリットとデメリットがあり、キャンペーンの目的や予算、そしてターゲットとする顧客層によって最適な選択は異なります。本記事でご紹介した選び方と戦略を参考に、あなたのビジネスに最適なマッチタイプを見つけてください。

また、マッチタイプを設定したら終わりではありません。インテントマッチを活用する上では、検索語句レポートの定期的な確認と、不要なキーワードを除外設定することが不可欠です。自動入札との組み合わせや、広告表示オプションの活用など、様々な施策と連携させることで、広告効果をさらに高めることができます。

Google広告のマッチタイプは、単なるキーワード設定の機能ではなく、広告運用の成否を左右する重要な戦略要素です。2025年のデジタル広告環境においては、AIの進化を理解し、それを味方につけることが、費用対効果の高い広告運用を実現するための鍵となるでしょう。