Meta(Facebook)広告の フリークエンシーの目安は?確認の仕方や改善方法を解説
2025/03/12 WEB広告ユーザー1人あたりの広告の表示回数を示すフリークエンシー。
実は、Meta広告(Facebook広告)のフリークエンシーが高いと、ブランドイメージや広告パフォーマンスの低下につながることをご存知でしょうか。
一方、フリークエンシーがあまりに低いと、ユーザーの広告に対する印象が薄まり、機会損失となるリスクがあります。
広告効果の最大化を図るためには、フリークエンシーに関する理解を深め、適切な数値に調整することが重要です。
そこで今回は、Meta広告(Facebook広告)におけるフリークエンシーの数値の目安や確認の仕方、および改善方法について詳しく解説します。
目次
Meta(Facebook)広告の フリークエンシーとは?
2021年にFacebook社が名称変更される以前は、Facebook広告の名称で親しまれてきた動画や画像形式のMeta広告。
このMeta広告(Facebook広告)のフリークエンシーにおける概念は、Meta社の運営するInstagram、Messengerと、提携しているAudience Networkにおいて同一です。
広告のフリークエンシーとは、ユーザー1人あたりに表示された広告の回数のことです。
Facebookなど、SNSで同じ広告を何度も見かけた方もいらっしゃるでしょう。
フリークエンシーは、広告が何度も表示されることで商材や企業がネガティブな印象になり、ブランド・イメージが低下することを回避するために把握しておくべき数値です。
算出方法は、重複を含む広告の画面表示回数である「インプレッション数」を、重複がカウントされない広告閲覧者数「リーチ」で割り出します。
このフリークエンシーが多いと、ユーザーに嫌悪感を与えてしまうリスクがあります。一方、フリークエンシーが少なくても、広告の印象が残らず機会損失につながるため、十分に理解を深めておきましょう。
Meta(Facebook)広告の フリークエンシーの目安は?
Meta広告(Facebook広告)のフリークエンシーの目安は、どの程度でしょうか。
Metaの公表によれば、1つの広告セットにおけるフリークエンシーの平均値は1〜2回となっているようです。
しかし、業界や商材によっても差があり、これらの数値をそのまま自社の配信に当てはめるべきではありません。
これらの数値はあくまで目安とし、実際のCTR(クリック率)やCVR(コンバージョン率)など中間・最終指標となる数値を見ながら自社商品に最適なフリークエンシー数を判断すべきでしょう。
Meta(Facebook)広告の フリークエンシーが増えた時の対処法
Meta広告(Facebook広告)でフリークエンシーが増えた時は、ユーザーに同じ広告を何度も見せている可能性が高くなります。
広告が摩耗する前に、クリエイティブを変更すべきでしょう。変更する際は、ABテストがおすすめです。
たとえば、これまでの価格重視だったクリエイティブを機能重視にする、商品の外観をアピールする画像から、中身を全面に押し出すものに差し替えてテスト結果を分析してみましょう。
このほか、クリエイティブに関し、テキストの色やフォントの大きさ・配置、画像のレイアウトや配色などの観点から変更箇所を検討するのも改善策として有効です。
また、フリークエンシーが増えている実情から、広告を既に高頻度で配信した可能性があるユーザーから、新しいターゲティングに変更したほうがよいでしょう。
これまでターゲットを一部の地域や一定の年齢層で絞っていた場合は、ユーザー層を少し拡大して広告を配信するのも一案です。
ただし、ターゲットの拡大はより多くのリーチの獲得を期待できる反面、潜在層の割合が高くなり、CTRやCVRが一時的に下がる可能性もあるため、注意しましょう。
フリークエンシーとフリークエンシーキャップの関係
フリークエンシーと似ていますが、Meta広告(Facebook広告)ではフリークエンシーキャップを設定できます。
フリークエンシーキャップとは、1人あたりのユーザーに表示する広告頻度の上限を設定する機能です。
Meta広告(Facebook広告)のフリークエンシーは、Meta社独自のアルゴリズムで自動最適化されており、手動では設定できません。
フリークエンシーキャップを設定すると、広告運用側が設定した回数までしか配信されないため、無駄なインプレッションを回避できるでしょう。
たとえば、商材の購入や申し込みなどコンバージョンの獲得を目的とする場合は、フリークエンシーキャップの設定を推奨します。一度の広告配信では十分なコンバージョンを期待できませんが、過度の配信は返ってユーザーのコンバージョンが遠のく可能性があるのも否めません。
ユーザーにネガティブなイメージを与えない配信頻度を設定すれば、訴求効果を期待できるでしょう。
このフリークエンシーキャップの設定は、高価な商材や購入サイクルの長い商材などの広告にも効果があります。
理由は、これらの商材は、ユーザーが購入するまでにある程度の検討時間を要することが多いため、広告の配信頻度が多いとマイナスの印象を持たれてしまうためです。
Meta広告の仕様上、CV獲得目的に使うようなキャンペーンの目的(購入タイプ:オークションの「リード」「アプリの宣伝」「売上」)だとフリークエンシーキャップは設定できません。
フリークエンシーキャップを設定できるのは、認知やエンゲージメント目的の「購入タイプ:予約」のキャンペーンや、購入タイプ:オークションの「認知度」のみになるので、認知度向上目的の場合、フリークエンシーキャップを推奨します。
Meta(Facebook)広告の フリークエンシーの確認方法
Meta広告(Facebook広告)のフリークエンシーの確認方法について説明しましょう。
Meta広告(Facebook広告)では、列を追加すれば管理画面からフリークエンシーを確認することも可能です。
- 広告マネージャーで「広告キャンペーン」選択し、「列」ボタンをクリック
- 「列をカスタマイズ」を選び「パフォーマンス」にある「フリークエンシー」をチェック
- 「適用」ボタンをクリック
フリークエンシーの上限を確認し、業種や商材によって回数を調整しましょう。
Meta(Facebook)広告の フリークエンシーの設定方法
先述の通り、Meta広告(Facebook広告)のフリークエンシーは、Meta
社による自動最適化になっているため、広告運営側では設定できません。
そこで、フリークエンシーキャップを設定し、広告配信頻度の限度回数を調整しましょう。
フリークエンシーキャップの設定方法は、次の通りです。
- 「広告キャンペーン」からフリークエンシーキャップを設定したい広告セットの「編集」をクリック
- 「認知」項目の「フリークエンシー管理」または「フリークエンシーキャップ」で設定
- 「保存」をクリック
ただし、Meta広告(Facebook広告)のフリークエンシーキャップは、コンバージョン(売上)やWebサイトへの誘導を目的とする設定はできないため、注意が必要です。
Meta(Facebook)広告の フリークエンシーの3つの改善方法
Meta広告(Facebook広告)のフリークエンシーが自動最適化とはいえ、広告運営側でも最適な数値を維持するための調整が必要です。
そこで、フリークエンシーが増えた場合の3つの改善方法について説明しましょう。
クリエイティブの差し替え
まず最初に検討すべきは、クリエイティブの差し替えです。
テレビなどのメディアやサブスクでもいえることですが、同じクリエイティブの広告を何度も目にすると、ユーザーに飽きられるだけでなく、「安っぽい」「しつこい」というネガティブな印象を持たれてしまいます。
特に、商号などの強い商標(ブランド)を付して配信している広告の場合は、ブランドイメージの低下につながるため、注意しましょう。
フリークエンシーが増えたら、同じ商材の広告であっても、ユーザーが目にした時の印象が異なるイメージのクリエイティブに差し替え、広告パフォーマンスを向上させる必要があります。
クリエイティブを差し替える際は、テキストとビジュアルの3要素を効果的に活用しましょう。
<画像>
- インパクトや色のコントラストの全く異なるクリエイティブを複数用意する
- 動物・赤ちゃん・美人の「3Bの法則」を上手に活用する
- テキストは、全体画像の20%以下にする
<動画>
- 冒頭の3秒で商材の魅力を伝え15秒以内に収める
- 音声がなくても理解できるようテキストを効果的に使う
<テキスト>
- 端的な見出しで広告内容を伝える
- 重要な情報は、最初の3行に盛り込む
- 内容をターゲット層ごとに使い分ける
ABテストの結果でユーザーの反応を分析しながら、適切なクリエイティブに差し替えましょう。
ターゲティングの拡大
ターゲティングの拡大も、フリークエンシーを改善する有効な方法のひとつです。
設定したターゲットの範囲が狭ければ配信するユーザーが少なくなるため、当然、1人あたりのユーザーに配信される広告回数も多くなります。
そこで、ターゲティングの範囲を広くし、広告の配信されるユーザーの人数そのものを増やし、フリークエンシーを抑えましょう。
Meta広告(Facebook広告)のターゲティングを拡大する方法は、次の3つです。
- カスタムオーディエンスのユーザーから類似オーディエンスを設定する
- 配信システムを活用し、広いターゲットを設定する
- 設定していた類似度の割合より数値を高くする
Meta広告(Facebook広告)を運用し、データがある程度の取れている状況であれば、類似オーディエンスを設定して現状のターゲティングより範囲に広げるとよいでしょう。
全配置への変更
フリークエンシーを改善するには、全配置に変更するという方法もあります。
具体的には、FacebookまたはInstagramなどプラットフォームや配置枠を限定していた場合は、Meta社の運営する4つ全ての配信先に配置するということです。配信する媒体が増えれば、特定のプラットフォームを利用しているユーザーにも広告が配信されるため、フリークエンシーの平均値を下げられます。
全配置の設定方法は、次の通りです。
- 広告マネージャーを開き、広告セットの「編集」をクリック
- 「配置」セクションに移動し、「手動配置」を選択
- 広告を配信する場所を選択
商材や広告内容にもよりますが、配信枠を最大化させてフリークエンシーを改善しましょう。
予約(リーチ&フリークエンシー)キャンペーンとは
Meta広告(Facebook広告)には、「予約」という広告があります。
入札額によって広告費が決まるオークション形式が、一般的です。
※リーチ&フリークエンシーキャンペーンが、2023年10月から予約という名称に変更されました。
しかし、この「予約キャンペーン」を活用すると、平均フリークエンシーを含め、広告の配信回数・順番などの詳細を設定でき、6ヶ月前から予約できるようになります。事前に計画を立てて広告を配信できるうえ、事前に予約することで競合の入札に左右されないため、同一ユーザーへの過度の配信を回避できるでしょう。
「予約キャンペーン」の設定方法は、次の通りです。
- 広告マネージャを開く
- 「新しいキャンペーンを作成」を選択し、購入タイプとして「予約」を選択
- キャンペーンの目的を選択し(認知度かエンゲージメントのいずれかの目的を選択できます)、「次へ」を選択
- キャンペーンの設定を確認
特徴と使うべきケース
「予約キャンペーン」の特徴は、先述の通り、オークション形式とは異なる設定によって競合の入札の影響を受けないことと、6ヶ月前に予約購入できることの2点です。
そんな「予約キャンペーン」の特徴を活かして使うべきケースは、次の3つです。
- 段階的にクリエイティブを設計するアドシークエンスによって、ユーザーの認知を深める
- 最適な広告配信頻度を維持しながら、ブランディングやユーザーの認知向上を促す
- 競合の入札に左右されず、低コストで広告を運用する
この「予約キャンペーン」は、これまでのMeta広告(Facebook広告)にはなかった機能ですので、状況に応じて上手に活用しましょう。
Meta(Facebook)広告のフリークエンシー まとめ
Meta広告(Facebook広告)のフリークエンシーは自動最適化されます。しかし、広告運営側で設定できないからといって、そのままにしておくと、ブランドイメージの低下につながります。
適切な広告配信頻度を維持しながら、広告の訴求効果を高めるためには、適切な数値を維持しなければなりません。
フリークエンシーのフリークエンシーキャップや、予約キャンペーンを上手に活用しながら、広告効果を高めていきましょう。