Google広告の検索パートナー面は除外すべきか?2025年の最新トレンドやアドフラウドの状況を踏まえて解説

2025/03/21 WEB広告

Googleリスティング広告は、もっとも費用対効果の高い広告手法の1つですが、検索数以上にインプレッションを出せないプル型の広告手法です。

そこで配信ボリュームを増やすためにあるのが「Google検索パートナー面への配信」ですが、最近は劣悪なパートナー面が増えたことで、この機能を停止すべきケースも増えてきています。

 

この記事では、広告運用のプロが、最近の検索パートナー面の動向と、それを踏まえた具体的なアドバイスを解説していきます。

 

Google広告の検索パートナーとは

そもそも、検索パートナー面とは、Googleと提携してリスティング広告を掲載する検索ネットワークのサイトです。

YouTube などの Google が保有するサイトに加えて、goo、dmenu、BIGLOBE といったGoogle 以外の多数のウェブサイトや、ドメインパーキングも検索パートナーに含まれます。

 

検索パートナー面は除外すべきか

早速この記事の本題ですが、結論から言うと、各アカウントの状況やキーワードによるので、一概には言い切れません。

ただ弊社では、最終判断はアカウントごとに個別に行うものの、2024年頃から増えている検索パートナー面でのアドフラウド対策として、除外を推奨しています。

 

そもそも、なぜ検索パートナー面が推奨されるのか

Google は主に以下2つの理由から、検索パートナー面への配信を推奨しています。

  1. 配信面が増えることで、効率を維持しながら成果の最大化ができる
  2. スマート自動入札によって適切な単価で入札される

1つ目の理由はそのままで、Google以外の検索サイトにも配信を拡大した方が広告の掲載機会が増えるので、最終的なコンバージョン数の増加が狙えるというものです。

2つ目は、仮に検索パートナー面での効率(≒コンバージョン率)が悪かった場合でも、それに応じて入札単価を調整することで、効率的な獲得が可能になるということです。

 

これらの理由から、以前は当社でも検索パートナー面への配信を推奨しており、デフォルトでオンにすることを社内でもルール化していました。

ではなぜ、それでも検索パートナー面を除外すべきケースがあるのでしょうか?

 

2024年頃から急増している検索パートナー面でのアドフラウド

検索パートナーの除外を推奨する1番の理由は、アドフラウドを行う悪質なサイトへの配信を止めるためです。

冒頭で紹介した通り、検索パートナーはYouTubeやBIGLOBEなど適切に運営されている面にも出る一方で、個人や小規模な企業が保有するパートナーサイトも配信対象となります。

 

悪質なサイトの場合

  • Instagramなど他の広告媒体におとり広告を出して自社サイトにユーザーを誘導
  • 自社サイト内で検索行動をするように誘導する
  • リスティング広告ばかりの低品質なページを表示し、広告をクリックさせる

という手法を使っていることもあります。

 

ボットではなく実在する人間が広告をクリックしているので、Google側も不正クリックとして判別が難しく、対処が遅れていると考えられます。

 

検索パートナー面でのアドフラウドの見つけ方

検索パートナー面の配信はドメイン別などで確認することができないため、確実に特定する方法は残念ながらありませんが、以下の方法で対策すべきかどうかをチェックできます。

 

分割機能を使って配信ネットワークごとの実績を確認する

Google広告では、管理画面で「分割」をすれば配信ネットワークごとの実績が確認できます。ここで検索パートナーの配信が急に増えていれば、アドフラウドの可能性は高いと推測できます。

 

急な数値変動がないかモニタリングしておく

検索パートナー面の配信が急増する場合、主にクリック単価が低下し、コンバージョン率が下がることが多いです。

これまでは検索パートナー面でのクリック数は全体の数%~多くても1割程度でしたが、場合によっては半分以上が検索パートナーになるケースもあります。

 

検索パートナー面への対策・除外方法

自社のGoogle広告アカウントがリスティング面のアドフラウド被害を受けている、または事前に対策しておきたい場合、以下のように対策をとることができます。

 

検索パートナー面を除外する

もっとも手っ取り早く、効果が大きい方法は、検索パートナー面への配信を除外してしまうことです。

設定は簡単で、キャンペーン設定から検索パートナーのチェックを外すだけで除外が完了します。

突然増えたクエリの除外

検索パートナー経由の検索クエリが特定の語句に偏っている場合は、そのクエリを除外キーワードとして登録することも有効です。

ただ、キーワードを変えて検索パートナー面からの低品質なクリックが再度増える可能性もあるので、いたちごっこになるリスクもあります。

 

アカウント単位でのドメイン除外

悪質なクリックが発生しているウェブサイトが特定できている場合は、対象のドメインをアカウント単位で除外することも可能です。

ただし、これもクエリ除外と同じく、悪質サイトのドメインをすべて除外しきることは現実的に難しい可能性もあるので、注意が必要です。

 

まとめ

検索パートナー面はGoogleリスティング広告の配信量を増やせる貴重な機能ですが、アドフラウドによる低品質なクリックの被害に合うリスクも高くなっています。

改めて自社アカウントの数値をチェックして、適切な対策を行うことで、無駄な広告費を削減し、成果につながる広告運用を行っていきましょう。