【2024年1月更新】YDAサーチキーワードターゲティングが終了!これからどうすべき?

2024/01/15 WEB広告

2023年12月11日にLINEヤフー社(旧ヤフー株式会社)から、サーチキーワードターゲティングの移行と提供終了についての発表がありました。

これを読まれているということは、これまでYahooディスプレイ広告(以下、YDA)でサーチキーワードターゲティングを実施していたか、これから実施しようと思っている方かと思います。

この記事では、改めてサーチキーワードターゲティングの概要から、終了に際して代替となるターゲティング、広告主として今からどうしていくべきか?など、弊社なりの意見をまとめたいと思います。

 

そもそも、サーチキーワードターゲティングとは

サーチキーワードターゲティングは、YDAで活用できるターゲティングの一種で、特定のキーワードを検索したユーザーに広告配信ができるターゲティングのことです。

 

※引用元:サーチキーワードターゲティング, Yahoo広告ヘルプ

 

購買意欲といった興味関心と異なり、実際に検索アクションを取ったユーザーに絞って配信できるため、YDAで設定できるターゲティングの中でも、費用対効果が高い傾向があります。

 

サーチキーワードターゲティングが終了する背景

このあたりは特に興味がなければ読み飛ばしてもらって構いません。

ただ、媒体アップデートの背景を知ることで、媒体へのより深い理解や、未来の予測にも繋がるため、広告運用を高いレベルで行うためには役に立つかなと思います。

 

 「オーディエンスリストターゲティング」への集約

オーディエンスカテゴリ―とサーチキーワードが、オーディエンスリストに統合される
※引用元:Yahoo!広告 オーディエンスターゲティング刷新

まず、表面上の理由は「ディスプレイ広告 オーディエンスターゲティングの刷新について」でも発表されている通り、色々な設定方法に分散してしまっている複数のターゲティングを「オーディエンスリストターゲティング」に集約することです。

 

OR条件でのターゲティング設定

そしてなぜこれを実施するのかというと、1番の理由は異なる種類のターゲティングであってもOR条件(どちらかの条件に合致すればターゲットになる)で設定できるようするためです。

どういうことかと言うと、これまでは例えば1つの広告グループに「興味関心」と「サーチキーワード」のターゲティングを設定すると、AND条件(両方の条件に合致したユーザーだけがターゲットになる)になっていました。

今後はすべて「オーディエンスリストターゲティング」になるので、1つの広告グループに複数のリストを設定しても、OR条件での配信が可能になります。


※引用元:Yahoo!広告 オーディエンスターゲティング刷新

 

これによるメリットは、主に以下2点だと思います。

1. 複数のターゲティングを活用したいときに、広告グループを新たに作成しなくて良くなる
2. 1つの広告グループでより広くリーチを取れるようになる(≒機械学習での最適化も効きやすくなる)

また、これまで同様AND条件で配信したい場合でも、組み合わせリストを作ることで実現可能です。そのため、アカウント設計の柔軟性が高まったと言えます。

 

技術負債の解消?(推測)

また、これは表向きに出てる話ではないのであくまで推測ですが、技術負債の解消的な面も一定あるのかなと思います。

こちらの記事でも書かれていますが、Yahoo!ディスプレイ広告はもう10年以上にわたりずっと提供されてきたプロダクトであり、その間常に進化を繰り返してきました。

その歴史の中で新たなターゲティングができたり、廃止になったりといったことがあり、システムの構造も複雑になって開発も大変になってきていたのではないかと思います。

 

サーチキーワードの代わりになるターゲティング

これまで多数の広告主が使ってきたターゲティングなので、ただ無くなるわけではなく、Yahoo側も代替となるターゲティングを用意しています。

 

「高度なセグメント」によるオーディエンスリスト

それが、オーディエンスリストターゲティング(特定のユーザー層を含んだリストを作成してターゲティングする手法)の中にある「高度なセグメント」を使ったターゲティングです。

この高度なセグメントリストを作成する際にキーワードを登録することができ、そのキーワードに基づいたターゲティングが可能になっています。

 

「サーチキーワード」と「高度なセグメント」の違い

じゃあサーチキーワードターゲティングと変わらないのかと言うと、そうではありません。主な違いを以下の表にまとめました。

 

  サーチキーワード 高度なセグメント
実際に検索したキーワードか YES NO
検索のリーセンシー、検索回数の設定可否 不可
キーワードを基にした機械学習によるオーディエンス生成 なし あり
登録できるキーワード数上限 500個/リスト 50個/リスト
登録可能なキーワードの条件 サーチキーワードとして利用可能なキーワード(一定の検索ボリューム) 審査に通れば原則OK(広告データ利用基準 第3章 データの利用が適用)
レポートでのキーワードごとの実績確認 不可

 

特に大きなポイントとしては、サーチキーワードは実際に指定のキーワードを検索したユーザーに対してターゲティングできるのに対し、高度なセグメントは指定したキーワードを検索したとは限りません。

サーチキーワードはそもそも検索数が一定あるキーワードしか選択できないためリーチは取りづらいですが、コンバージョンなどに繋がりやすいです。

一方、高度なセグメントは指定したキーワードを基に生成されるオーディエンスなのでリーチは取れる傾向にありますが、コンバージョン最適化などをしっかり進めないとCPAなどのパフォーマンスは上げづらい可能性があると言えます。

 

今後どうしていくべきか

これらを踏まえて今後どうしていくべきかを、運用型広告の代理店である弊社の知見を基に考えてみました。

 

アップデート情報を注視しておく

サーチキーワードの終了時期は2024年秋頃と発表されていますが、細かい時期が完全に確定しているわけではありません(2024年1月13日時点)。

また、こういった何かを廃止するアップデートに関しては、最初の発表より遅延することも往々にしてあります。

この後にも書きますが、サーチキーワードターゲティングを引き続き活用する場合は、アップデート情報を随時確認して、適切に対応していくことが重要になるでしょう。

 

強制移行が開始されるまではサーチキーワードも活用する

サーチキーワードターゲティングの廃止が決まったからと言って、今すぐに止める必要はありません。

既に実施している場合でも、これから始める場合でも、高いパフォーマンスが期待できるのであれば、それは活用すべきです。

 

高度なセグメントターゲティングも始めておく

一方でサーチキーワードターゲティングが終了することは決定事項なので、早めに代替のターゲティング手法などは開拓しておく必要があります。

高度なセグメントはキーワードを最大50個選んで作るオーディエンスターゲティングなので、当然ながら登録キーワードによってターゲットは変わるはずです。

そのため、今のうちから始めておき、サーチキーワードターゲティングが終了するまでに勝ちパターンを見つけておくのが得策でしょう。

 

強制移行される前にサーチキーワードターゲティングは停止する

そしてサーチキーワードターゲティングが完全に終了する前に、時期を見て手動でサーチキーワードを使った広告グループは停止するのが良いでしょう。

自動移行などで勝手に別のターゲティングに変わったり、停止になってしまったりすると、意図せずに広告配信状況に影響が出る可能性があるためです。

そのためにも、上に書いたようにYahoo広告のアップデートを常にキャッチアップしておくことが必要になります。

 

さいごに

サーチキーワードターゲティングはYahoo広告ならではのターゲティングで、パフォーマンスも良いので弊社でも積極的に活用している配信手法です。

それが無くなってしまうのは残念ですが、環境の変化にうまく適応して、広告を運用していく必要があるということかと思います。

こういったアップデート情報すべてを運用者個人がキャッチアップし、対応を考えていくのは大変だと思います。プロの知見を借りたいときは、お問い合わせページからご連絡ください。