
Google広告で適切な予算設定をする方法とは?予算の考え方や便利な機能も徹底解説
2025/11/14 WEB広告「Google広告を始めようと思ったけど、予算設定でつまずいた」
「Google広告に投じた予算を効果的に使いたい」
Google広告をはじめて運用する場合、上記のように予算をいくらで設定すれば良いかわからない方もいると思います。
予算を適当に設定すると効果がなかったり、ムダな費用を支払って終わったという事態に陥る可能性もあるでしょう。
コストを投じて広告運用をする以上、費用対効果を高めていく必要があります。
そのために大事なのが「予算設定」です。
適切に予算設定が行われていることで費用対効果を高め、売上や認知度を増やす要因となります。
そこで本記事ではGoogle広告の予算相場から、具体的な予算設定の方法を解説します。
記事後半からはGoogle広告の予算を効果的に使用する方法に加え、予算を決めた後の注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください!
目次
Google広告の予算相場
まずはGoogle広告の予算相場を紹介します。
Google広告と一言で言っても、さまざまなタイプがあります。
ユーザーがキーワードを検索した際に表示される「検索広告」やYouTubeに流れる「動画広告」などがあり、広告タイプごとに期待できる効果は異なります。
下記の表で広告タイプごとにかかる費用をまとめたので、ご確認ください。
| 広告タイプ | 月額費用 |
| 検索広告(リスティング広告) | 15万円程度〜 |
| ディスプレイ広告 | 20万円程度〜 |
| 動画広告(YouTube広告) | 20万円程度〜 |
| ショッピング広告 | 20万円程度〜 |
| アプリキャンペーン | 20万円程度〜 |
注意点として、上記の月額費用は「目安」です。
動画広告を利用して月額60万円の広告コストがかかる場合もあれば、上記の費用より安く収まることもあるでしょう。
費用が異なる理由として、目的・目標によって投下する予算が異なるためです。
- 1日10回広告をクリックしてもらう
- 1日1,000回広告をクリックしてもらう
上記2つの目標があれば、広告にかけるコストは変わるはずですよね。
もう一つの理由は、商材・キーワードで単価が異なるためです。
Google広告はオークション形式なので、人気がある商材を広告配信したい場合、他にも同じ商材の広告を配信したいライバルがいます。
結果的に人気のある「商材」「キーワード」は広告コストも上がり、単価の低い商材は広告コストも低くなるため、それぞれ予算相場は異なります。
Google広告で予算設定する前に行う2つのこと
ここからはGoogle広告で予算設定をする前に行ってほしいことを紹介します。
目標を明確にする
Google広告を運用して何を達成したいのか決めましょう。
理由はカンタンで、目標によって予算や広告タイプが大きく異なるためです。
たとえば、
- 自社商品の認知度を増やしたい
- 自社商品の販売数を増やしたい
上記の2つでは目標が大きく異なりますよね。
目標が決まっていない限り予算を決めることはできないので、まずは広告運用をしてどのような成果をあげたいかを決めてください。
なおGoogleも「目標を決めて予算を設定する」ことを予算設定のコツとして挙げています。
市場調査を行う
次に行って欲しいのが市場調査です。
とくに予算設定をする前の調査で大事なのが、競合他社がどのくらいの費用を投じているかです。
先述したとおり、商材・キーワードによって広告コストは大きく変化します。
たとえば「ダイエット」「金融」「保険」関連の商材はコストも高くなる傾向にあるため、事前に調査しないと想定以上のコストがかかる可能性もあります。
市場調査を行う方法として「キーワードプランナー」を利用するのもオススメです。
キーワードごとに単価の相場がわかるため、自社の商材にかかる費用をチェックしてみましょう。
Google広告で予算設定をする方法

ここからはGoogle広告で予算設定をする方法について紹介します。
Google広告の課金方式は「クリック課金」と「インプレッション課金」です。
動画広告やディスプレイ広告ではその他の方式も利用可能であるものの、今回はこの2つに絞って紹介します
どちらにすれば良いかわからない場合は、下記をご参考ください。
| 課金方式 | 目的 |
| クリック課金 | ・商品の購入につなげたい ・自社サイトへ誘導したい ・アプリのインストール数を増やしたい |
| インプレッション課金 | ・ブランドの認知度を上げたい ・新商品をアピールしたい |
インプレッション課金:広告の表示回数によって費用がかかる
クリック課金を利用した場合の予算設定方法
クリック課金を利用して予算設定する場合、
- 成果目標から設定
- 広告単価相場から設定
上記の2つがあります。
成果目標から設定
成果目標から予算設定をする場合、目標とするCPAの数値を出す必要があります。
CPAとは、ユーザーがアクションを起こすまでにかかる費用です。
つまり「商品の購入」や「自社サイトへの誘導」などのコンバージョンを達成するまでにかかるコストを指します。
・CPA=費用÷コンバージョン数
・目標CPA=販売価格-原価-目標とする利益額
たとえば、
- 販売価格:3,000円
- 原価:1,000円
- 少なくとも得たい利益:500円
の場合3,000ー1,000ー500=1,500円が目標CPAとなります。
最後に「目標CPA×目標コンバージョン数」を計算すれば、予算設定が可能です。
たとえば目標コンバージョン数を100件に設定すると「1,500円×100件=150,000円」が予算となります。
広告単価相場から設定
広告単価相場から設定する方法はカンタンです。
計算式は「クリック単価の相場×目標とするクリック数」となり、クリック単価の相場はキーワードプランナーから計算できます。
インプレッション課金を利用した場合の予算設定方法
インプレッション課金の場合、「インプレッション単価×表示回数÷1,000」で予算を決めることが可能です。
広告が1,000回表示されるたびにコストがかかり、費用相場は10円〜500円程度となります。
成果の予測ができる場合の予算設定
たとえば「サイトへ誘導した100人のユーザーの内10人は商品の購入をする」といったように、成果の予測ができる場合の予算設定方法も紹介します。
100人の内10人が商品を購入するのであれば、獲得率は10%です。
1ヶ月で50人のユーザーに商品を購入して欲しいのであれば、500人のユーザーをサイトへ誘導すれば良いことになります。(500人の内10%、つまり50人が商品を購入すると予想するため)
1人のユーザーをサイト誘導する際にかかる費用が400円だとすれば、「400円×500人=20万円」が予算です。
成果の予測ができない場合の予算設定
上記で紹介した予算設定は、データも集まり成果の予測が立っている上でのことです。
しかし初めて広告運用をする場合や実績がない場合、まずはデータを集めることがポイントとなります。
そのためには目標を定めて、ゴール達成するまでの過程をデータ化しておきましょう。
どのような目標を設定すれば良いかわからない場合、まずは「1ヶ月100クリック」を目標にしてください。
100クリック達成するまでの過程をデータ化して、成果が集まってから本格的に予算設定を行います。
もちろん100クリックを達成するためにかかるコストは商材によって大きく異なります。
単価の高い商材を扱えば広告コストも高くなり、低単価の商材に大きく費用を投じれば逆に赤字となる可能性もあるでしょう。
このように広告の予算はそれぞれ異なってくるため、自社に最も適した予算を見つけていくこともポイントです。
Google広告で予算を効果的に使う6つのポイント
当然のことですが、Google広告は予算を決めたら終わり、ということではありません。
予算を効果的に使い、費用対効果を上げることが大切です。
ここからはGoogle広告で予算を効果的に使う6つのポイントを紹介するので、参考にしてください。
Google広告のターゲティング精度を上げる
大事なことが、ターゲティング精度を上げることです。
どのようなユーザーに広告を見て欲しいのかを洗い出しましょう。
その上で「ターゲティングオプション」を利用し、効果的なユーザーに広告を表示していくことがポイントです。
ターゲティングオプションとは、
- 年齢
- 地域
- 興味関心
- 性別
を指定し、特定のユーザーに広告を表示できる機能です。
ターゲティング精度を上げていくことで費用対効果も上がるため、PDCAを回してターゲティング精度を上げましょう。
関連記事:Google広告で地域設定する手順から注意点まで徹底解説!
設定した予算をすぐに変えない
広告の予算設定が決まったら、すぐに変更するのは控えましょう。
毎日広告コストは上下するので「高すぎたかな?」「低すぎたかな?」と気になるとは思いますが、毎日検索するユーザー数が異なるので当然です。
逆に予算をすぐに変更するとデータが集まりません。
データが集まらなければ費用対効果を上げる施策もわからないので、予算を効果的に使用できないことになります。
そのため予算を変えるのは、掲載結果のデータがある程度収集できてからにしましょう。
入札単価を抑える
シンプルなことですが、広告にかかるコストを下げてコンバージョン数を維持できれば効果的に予算を使うことができます。
今まで1件のコンバージョンに5,000円かかっていたのが、2,500円になれば費用対効果も高まります。
そのため費用対効果が低い商材・キーワードの入札単価を見直すのも一つの手です。
なお、下記の記事でディスプレイ広告のクリック単価を下げるポイントも紹介しているので、あわせてご参考ください。
関連記事:Google ディスプレイ広告(GDN)のクリック単価を下げるポイントとは?徹底解説
ただし、入札単価やクリック単価は低く設定できれば良いわけではありません。
広告コストを低くした結果、コンバージョン1件の獲得コストが増えては意味がないためです。
逆に費用を上げたことで獲得コストが下がり、費用対効果が改善するケースもあります。
そのため自社広告にとって最適解のクリック単価は、PDCAを回し分析・改善を継続して見つけていくことが大切です。
広告クリエイティブの見直し
ユーザーがクリックしたくなるような文章かどうか、画像や動画を使って目をひくようなクリエイティブにすることもポイントです。
また、定期的にA/Bテストを行い、PDCAを回して最適な広告クリエイティブを作成することも大切となります。
ランディングページの見直し
誘導先のランディングページを見直すことも、効果的な予算を使う方法として挙げられます。
当然ながら「広告」自体がいくら良くても、ランディングページでユーザーの背中を押せなければ意味がありません。
たとえば、
- 申し込みボタンの場所
- 商品のPR文章
- サイトの読み込み速度
などを確認し、ランディングページの改善も行いましょう。
自動入札の活用
Google広告は自動入札機能が豊富です。
目的によって広告の効果が最大となるよう、自動で入札してくれる機能となります。
手動で予算の調整をするよりもリソース削減につながり、目的に応じて最適に予算を消化できるため、効果的に予算を利用することが可能です。
下記が自動入札機能一覧なので、あわせてご参考ください。
| 自動入札機能 | 内容 |
| 目標コンバージョン単価 | 指定したコンバージョン単価(CPA)以下で、コンバージョン数を最大化するよう入札単価を調整 |
| 目標費用対効果 | 指定した目標費用対効果を目指して入札単価を調整 |
| コンバージョン値の最大化 | 予算内でコンバージョン値が最大となるよう入札単価を調整 |
| コンバージョン数の最大化 | 予算内でコンバージョン数が最大となるよう入札単価を調整 |
| クリック数の最大化 | 予算内でクリック数が最大となるように入札単価を調整 |
| 目標インプレッションシェア | 設定された広告の掲載場所とその場所に表示される割合を目標として入札単価を調整 |
| 視認範囲のインプレッション単価(GDNのみ) | 視認される可能性が高い場所に広告が表示されるよう入札単価を調整 |
Google広告で予算を決めた後の注意点
予算による制限
- 1日の平均予算を何度も使い切っているキャンペーン
- 予算を引き上げるとコンバージョンが高まる可能性があるキャンペーン
上記のキャンペーンがある場合「予算による制限」が表示されることがあります。
予算による制限がかかっている場合、広告表示回数が少なくなったり、コンバージョン機会の損失につながります。
結果的に予算を効果的に使えないことにつながるため、「予算による制限」が出ている場合は無くしましょう。
対策として、キャンペーンの推奨予算以上の金額を1日の平均予算として設定することです。
キャンペーンページから予算シミュレーターを利用できるので、予算を引き上げた時のコンバージョン数・クリック数を確認して広告コストを決めましょう。
不正クリック
不正クリックとは、悪意ある人が意図的に広告を複数クリックして、ムダな広告費を浪費させる行為です。
Google広告では不正クリックの検出と対策機能があるものの、不審なクリックがあった場合はサポートに連絡するようにしましょう。
Google広告の予算レポートをチェックする方法
Google広告の「予算」関連の機能として「予算レポート」があります。
予算レポートとは「1日の平均予算」を使用しているキャンペーンで利用できる機能となります。
「1ヶ月の累計費用」「視覚化グラフ」「1日の費用」を確認でき、月末の支払い予定金額を把握することが可能です。
予算レポートを表示させる方法は3つあるので、利用している方はあわせてご確認ください。
キャンペーンページから表示
- 「キャンペーンページ」→対象のキャンペーン予算にカーソルを当てる
- 「予算レポートを表示」を選択
共有ライブラリから表示
- 管理画面右上にある「ツールと設定」を選択
- 「共有予算」を選択
- 対象のキャンペーン予算にカーソルを当て「予算レポートを表示」を選択
広告グループページから表示
- 「キャンペーンページ」→対象のキャンペーンを選択
- 「広告グループ」→「予算」にカーソルを当てる
- 「予算レポートを表示」を選択
Google広告で予算を決めた後に知ってほしい便利機能
最後にGoogle広告の「予算」に関連する便利機能を解説します。
予算タイプ「1ヶ月の予算」
Google広告では予算タイプとして「1ヶ月の予算」を設定することができます。
文字どおり、1つのキャンペーンあたりの費用を事前に決めることが可能です。
毎日同じ広告コストがかかるのではなく、毎日変化する可能性はありますが、設定した費用を超えることはありません。
そのため毎月の広告費にかける上限が決まっている場合は活用できるでしょう。
逆に1年に一回行うイベントなど、局地的に広告配信をする場合には向きません。
共有予算を利用する
「共有予算」は、自動で複数のキャンペーンに予算を分配する機能です。
Google広告では、キャンペーンごとに予算を設定する方法がデフォルトとなります。
たとえば、
- A広告の予算:1万円
- B広告の予算:3万円
- C広告の予算:5万円
といった形でそれぞれ予算を設定しますが、共有予算の場合は予算を一つ設定し、自動的にそれぞれのキャンペーンへ予算が配分される機能です。
共有予算を設定することで管理の手間が省けるといったメリットもあるので、複数のキャンペーンを運用している場合に有効と言えるでしょう。
設定方法は、
- 「ツール」→「共有予算」の順番で選択
- 「+ボタン」を選択し、新しい共有予算の名前を入力
- 管理したいキャンペーンを選択
- 予算を設定し「保存」を選択して完了
となります。
ただし共有予算を設定することで、手動で予算を変更できないデメリットもあるので、ご注意ください。
まとめ
今回はGoogle広告で予算設定をする方法について解説しました。
Google広告はさまざまな広告のタイプがあり、それぞれ目的も異なります。
そのためまずは何を達成したいのかを明確にし、適切な予算を投じることで、費用対効果を高めることにもつながります。
ぜひ今回紹介した予算設定方法を参考に、最適な予算を決めていきましょう。
ただし、この記事で紹介したとおり予算は一度設定して終わりではありません。
PDCAを回して自社の商材にあった予算を設定することがポイントとなります。
予算を適切に設定することがGoogle広告を成功させる要因と言えるほど大切なので、この記事で紹介したポイントを参考に、効果的な広告運用を目指してください!
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